まさかうちの子が?予測不可能な病気
産まれた時からちょっとぽっちゃりした体型、そして産後すぐ母乳が出なかったけれどミルクを他の赤ちゃんよりも沢山飲んですくすく成長していった娘でした。
風邪や熱もほとんどなく、病院にかかったのはオムツかぶれと軽い鼻風邪くらい。
まさに健康優良児の見本みたいな赤ちゃん。
それが1歳のお誕生日を迎えてすぐのことでした。
お風呂に入れようとすると、やけに体が熱くてその日はサッと洗ってからすぐに熱を計りました。
すると初めて38度超えの高熱を出したのです。
もう夜だし翌日は祭日、冬の寒い日なので1日家で様子を見ようと決めました。
なのに深夜にはかなりの高熱になっていて39度を超えていました。
娘も初めて体験する熱が辛いのかぐずっでなかなか眠れません。あやしたりして寝かしつけてたら朝でした。
発熱の翌日、普通にご飯を食べさせると吐いたので夫に経口補水液を買ってきてもらい、少しずつ飲ませて落ち着いたらミルクを飲ませていました。
発熱から数えて3日目の朝、やっと近くの小児科に連れて行くと突発性発疹症かも知れないとの事でした。あと1日か2日の間に発疹が出て治まりますからという事で様子を見ることに。
しかし娘の熱はどんどん上がり、39度後半から40度を超えることもありました。小児科で処方して貰った解熱剤を使うと少しだけ熱が下がり娘も少し楽そうになるのですが、一日中グッタリして寝転がっているかぐずっでいるかのどちらかでした。
大人でもそんな高熱は辛いのに、まだ1歳になりたての小さい子、どれだけ辛いだろうと思いました。
この時は毎日小児科に連れて行ってました。
発熱から数えて4日目は、翌日はいつでもいいので絶対来て下さいと言われました。
そして5日目、娘を診た先生はすぐに血液検査をしますと告げました。
私は待合室で待機し、娘だけ検査に連れて行かれ、暫くすると大泣きする娘の声が聞こえました。
なんの検査なんだろう?突発性発疹症?と疑問しかなく、血液検査の採血を済ませて泣いている娘をあやしながら不安でした。
しばらくして呼ばれて結果を聞くと、川崎病ですと告げられました。
この時まで私は川崎病という病気を知りませんでした。
乳幼児期にかかる血管の炎症で、入院して24時間ガンマグロブリンを点滴しないと治らないので入院しますということでした。
土曜日の夕方で、先生が救急で受け入れてくれる病院を探してくれ、紹介状をもらって一旦帰宅。
そして受け入れ先の病院に電話をして入院の準備に必要なものを聞いて用意してから向かいました。
年末のクリスマス後の土曜日の夕方、なんだか楽しそうな街を私一人不安の中で車を走らせていると泣きそうでした。
何故こんな病気に?どうしてだろう?可哀想にという気持ちしかありませんでした。
入院する病院に着くと、早速娘はガンマグロブリンを点滴されました。
お母さんは待合室でと言われて待っていると娘の大きな泣き声が処置室から聞こえてきました。
終わりましたよと呼ばれて行くと、骨折した後のコルセットみたいに板で腕に包帯を巻かれて固定されて点滴をされた娘がグズグズ泣いていました。
乳幼児は点滴を勝手に抜いたりして危ないのでこうして固定するそうです。
心電図をつけ、点滴をしながらしばらく過ごすことになりました。
こんなに小さい子なのに、大変な思いをさせてしまってゴメンねと思うばかりでした。
でも点滴をしてしばらくすると、嘘のように熱が下がり、明らかに様子も楽そうになっていました。
翌日には発病時にでも異常に高かった白血球の数値も下がり、病状は安定したようで、そこからアスピリンという飲み薬を毎食後飲むことになりました。
点滴は数日間つけていました。
その病院は乳幼児は親が24時間ついてての入院でした。なので私も一日中娘とベッドで過ごすのです。
慣れない環境、点滴と心電図をつけたまま過ごす鬱陶しさと不安で娘は片時も私から離れるのを嫌がりました。
トイレに行く時すらこの世の終わり位の勢いで泣いてベッドの端に立っているのです。
夜も点滴の管や心電図のコードが絡まったりするのを直すのにろくに眠れません。夜泣きすると寝かしつけないと他の同室の患者さんに迷惑なので神経はピリピリしていました。
入院生活はストレスが溜まりました。
しかし娘は回復が早く、入院から数えて6日後には退院しました。この日は大晦日でした。
川崎病は発熱後5日目までに発見し、ガンマグロブリンの投与をするとほぼ大事には至らないそうです。
でも酷くなると心臓の冠動脈が拡張したり、障害が残ったり最悪死亡することもあるということです。
なので私がかかっていた小児科の先生は早くから川崎病も疑っていたようです。
娘がかかっていた川崎病は不全型で、典型的な川崎病の症状が出ていなくて発見しづらかったようです。
それでも発見されたのはBCG注射の跡がやけに腫れ上がっていたということでした。これは川崎病の子どもは絶対に起こる症状なのです。
娘はその後お正月明けすぐに診察してもらい、それからは2月、4月、7月と定期的に診察。診察は心電図と心臓のエコーです。川崎病の子は冠動脈に障害が出やすいのでそれを診てもらってました。
そして発病から1年後の12月の診察でも異常無しでした。
これからは小学校に上がるまで1年に1回診察することになりました。
川崎病は発見されてから日が浅い病気で、予後は、寿命はという資料がまだ少なくて今後の予測が難しいそうです。
こんなに健康そうで元気な娘が持病をたの抱えることになるとは予想もしませんでしたし、イマでもとても元気なので信じられません。
でも未だに原因不明で感染するわけでもない病気。
今後も娘がずっと元気でいられますようにと願わずにいられません。
川崎病は熱が出てから5日目までの急性期と呼ばれる時期にガンマグロブリン投与しないといけないそうです。なのでそれまでに発見することがとても大事です。
原因不明の40度位の高熱が続いたらまずは川崎病を疑って下さい。赤ちゃんならBCG注射の跡が腫れ上がってないか確認して下さい。
他の主な症状としては、目の充血、唇や舌が赤くなる、関節が腫れる、皮膚に発疹などがあります。
娘のようにそういう症状が出ない場合もあります。これを不全型と言うのですが、とにかくおかしいと思ったら何度でも病院で診てもらって下さい。
未だに原因不明の病気です。でも大半の子は予後は元気に過ごしているようです。
あと、ガンマグロブリンを投与すると半年程抗生物質が効かなくなるので感染症には注意しないといけなくなります。娘は冬に川崎病になったので、春まで外出らしい外出はしませんでした。予防接種も出来なくなります。予防接種の予定が3ヶ月から半年狂って焦りました。