一番つらい時を無痛で。
「無痛」とは言っても、私場合は自然陣痛から始まって子宮口が7-8センチ開いたところで、麻酔を打つという形の無痛分娩でした。痛みに対する恐怖が人一倍であったこと、以前にパニック障害という診断を受けていたこともあり、迷わず無痛のお願いをしました。料金は無痛注射だけで別途に8万円ぐらい払ったと記憶していますが、少しでも楽にお産ができるなら安いものです。私の場合は上位破水から陣痛が始まりました。子宮口に開き具合が悪く、30時間程そこそこの陣痛はあるのに、子宮口が2-3センチしか開かないという状態で、痛みで眠れないわ、食事も喉を通らずで、なかなか終わりの見えない苦しみにヘトヘトでした。一体いつになったら無痛注射をしてくるのかと尋ねても、子宮口が7-8センチぐらいにならないと投与できないとの一点張り。時間だけが過ぎていきました。陣痛を感じてから大体36時間ぐらいしてからでしょうか。先生と看護師さんの会話から、さすがに帝王切開を視野に入れだしたようです。やっとこれで楽になれる…と思った矢先、看護師さんが麻酔らしいものを持ってきてくれました。待ちに待ったこの瞬間。無痛のため、腰のあたりに刺してあった針につながる管が右肩あたりにテープで止めてあったのですが、そこから徐々に体の中に冷たい液体が入ってきます。注入して5分と経たないうちに、確実に痛みが和らぐのを感じました。まさに天国です。今まで七転八倒していたのがウソのように、痛みがスーッと消えて行きました。なにせ2日間食べられない、寝られないという状態でしたので、しばし痛みから解放されて、そのまま知らずのうちに眠りについてしまいました。結局3時間ほどで目が覚めましたが、子宮口が9センチになっているので麻酔を中断することになりました。これ以上注入しては分娩時にいきむことができないというのが理由だそうです。私の場合、無痛注射により眠りについて、結果体力が回復できたことで一気に子宮口が開き、そのあとはトントン拍子にことが進み、分娩台に上がってからは30分ほどで無事出産できました。
無痛分娩には賛否両論があると思いますが、痛みへの恐怖が大きいようでしたら、積極的に取り入れてもよいと思いました。私の場合、無痛にしていなかったら恐らく帝王切開になっていたと思いますが、無痛注射のおかげで自然分娩することができましたし、産後の回復もずっと楽でした。日本ではまだまだ無痛を積極的に取り入れているところは多くないと聞いて言いますので、初めから無痛分娩を希望されているようでしたら、産婦人科を受診する前に、しっかりと確認されたほうがよいでしょう。