無痛分娩を考えているかたへ
妊娠が判明したとき、痛さに弱い私は、新しい命を授かったことの喜びよりも出産の痛みに対する恐怖の方が大きかった。
たまたま、以前に通っていた産婦人科が無痛分娩を推奨していることを知り、早速受診した。医師から一通り無痛分娩について、説明を受け、麻酔によるデメリット(頭痛、軽いしびれ、微弱陣痛、吸引分娩等)があることを知った。しかし、胎児に麻酔の影響がないこと、緊急時の帝王切開への早い切り替えが可能、産後の回復の早さ、何より痛さの軽減等のメリットの方が価値があると感じ、無痛分娩への抵抗はなかった。ただ、周りの反応は、産みの苦しみを味わった方がいい、本当に安全なのか等、やはり冷ややかな感じだった。
実際には15分感覚で陣痛が来てから、病院へ行った。麻酔をうち、陣痛促進剤を投与したが、陣痛の強さが、強くなり間隔が早くなっても軽い生理痛ぐらいの痛みで普通に会話が出来ていた。子宮口が全開大になった際も医師と談笑していた。途中、麻酔がなかったらどんな感じなのだろうかと思い、麻酔が切れる頃に投与してもらうのを遅らせてみた。だいぶ痛かった。これ以上は耐えられないなというところで、麻酔の追加をお願いしたが、分娩が他の患者と重なっており、お願いしてから1時間程度後に追加してもらった。その間、本来の陣痛の痛みを味わってしまい、もがき苦しんだ。
子宮口が全開大になってからは、いきみの仕方がよく分からず、何回もいきんだ。陣痛の疲労もあり、体力のない私はヘトヘトだったため、結局吸引分娩となった。吸引器の挿入、会陰切開、縫合については、麻酔のおかげで、全く痛くなかった。しかし、産まれる感触はあり、頭だけ出たときに見せていただいた。この時皆さんは感動するのだろうが、感動よりも正直、「そんなところで止めてないで早く出して!!」と思った。
無痛分娩は、痛さに弱い私にとって、強力なサポーターだった。副作用である頭痛はなく、軽いしびれはあったものの、産後の回復は早かった。赤ちゃんもすくすく育っているので、問題ないように思う。
無痛分娩は、海外でも多くの症例があり思っているほどリスクは少ないように思える。ただ、周りの非難が少なからずあるため、私は絶対に無痛分娩で産むという決意がなければ、ストレスを抱えることになる。最終的に産むのは自分なので、自分を大事にしてあげた方がいいと思う。痛さが軽減されても、命がけで産んだことには変わりないし、育児はとても大変だし、自分のお腹から出てきた我が子は世界で一番可愛い!!