親も子も充分満足した、2年間の授乳生活
私は、妊娠中のおっぱいマッサージや母乳外来など、事前に何もケアしないまま出産を迎えました。多少不安もありましたが、元々楽天的なのもあり、まあなんとかなるだろうと気楽に考えていました。出産直後のカンガルーケアの時点で、我が子はとても吸い付きが良く、まだ母乳が出る気配すらないのに、まだ目も開かない状態で必死に口を動かし一生懸命吸ってくれました。翌日以降も、出なくてもせっせと授乳の練習はしていました。
産後3日目くらいから少し母乳が滲み出てくるようになり、4日目の朝起きた時に、いきなり胸がガチガチに張っていてびっくりしたのをよく覚えています。それ以降はありがたいことによく出るようになり、一度もミルクを足す事なく母乳育児をすることができました。退院後から3カ月頃まで、赤ちゃんの飲む量より母乳の量が勝ってしまい、授乳の合間に搾乳して捨てたり、夜中に赤ちゃんの泣き声ではなく母乳が染みて服がビショビショになって冷たくて目が覚める、ということが連日続き、出過ぎることに対するストレスを感じることもありました。しかし4カ月頃から飲む量と出る量のバランスが取れてくると、授乳以外は母乳パッドの使用だけで納まるようになり、順調に母乳育児ができるようになりました。
何かあればすぐおっぱい、という子だったので、周りが卒乳、断乳し始めても全くその気配すらなく、私自身も急いで止めるつもりは全然なかったので、1歳半を過ぎて食事の量がしっかり増えても、栄養としての授乳ではなく、ちょっと口寂しくなった時や甘えたい時、眠い時など、何かにつけてしょっちゅう飲んでいました。2歳まであと数カ月というころから、「そろそろバイバイしようか」という感じで本人に少しずつ卒乳の話をするようにしました。そして2歳の誕生日の数日前、いつものように授乳していて、子どもの方からふと「おっぱいバイバイだね〜」と言ってきたので、驚きましたが、「じゃあこれで終わりにしようか」という会話をして、翌日以降欲しがってきても、「昨日でバイバイしたよ〜」と話せば納得し、さらに数日経てば欲しがることもなくなり、2歳直前であまりにあっけなく卒乳となりました。
少し拍子抜けしたのと、寂しい部分もありましたが、子どもも納得するまで飲み、私も目一杯あげられたなという充実感があったので、とても楽しい2年間の授乳生活だったと思っています。
私の場合は、たまたま良く出るタイプだったのかミルクを足す事なく終わりましたが、決して母乳のみにこだわっていたわけではなく、入院中母乳が出始めるまでは看護師さんにミルクをあげてもらっていたし、退院後も、ミルクもあげるつもりで哺乳瓶などの用意も事前にしていました。いざ生まれてみたら母乳育児になった、という感じです。もちろん事前にケアすることも大切ですが、生まれる前からあまり色々考えたり、思い詰めたりせずに、楽観的だったのもある意味良かったのかなと思っています。