妊娠31週、帝王切開での早産
妊娠27週のときに初めて「赤ちゃんが小さめ」と言われ、29週の健診でもやはり小さく、30週に入ったときには「胎児発育遅延」と「妊娠高血圧症候群」で入院となりました。30週の時点で赤ちゃんの体重は推定約1000g。
血圧の計測とお腹のモニターチェックをしながら毎日過ごし、入院から6日後のエコーの際にも「赤ちゃんの体重は約1000g」。赤ちゃんの体重が増えていかないのと、モニターチェックの際に赤ちゃんに元気のない兆候がみられるときがあるとのことでした。さらに私の血圧が高めになった際に薬を飲むと今度は血圧が下がりすぎてしまうという状況を繰り返していて、赤ちゃんに十分な血流がいかなくなる恐れがあるとのこと。もう私が出産になるのは近いんだなと思い始めていました。NICUに入るときのためにNICUの写真なども事前に見せてもらえました。
「このままだと母体も悪化していくし、赤ちゃんも元気がなくなる。赤ちゃんが元気のあるうちに取り出しましょう。NICUも受け入れてくれるそうです。」と主治医に言われたのは入院から1週間後の夜。なんとか31週にさしかかったところでした。
次の日帝王切開で生まれた赤ちゃんは1052g。出てきた瞬間可愛い泣き声を聞かせてくれて、看護師さんが手をつながせてくれたときには本当に感動しました。そして、1000gってどんなものだろうと毎日想像していたけれど、思っていたよりもずいぶん大きく見えました。
その後NICUに1か月、GCUに2か月入院しました。生まれてすぐは保育器に酸素を流していましたが生後3日には酸素を流す必要もなくなり、生後3週間ほどで1300gにして保育器を出ました。生後1か月でお風呂に入れたり、哺乳瓶での授乳練習を開始し、生後1か月半で直接授乳ができるようになったときには本当に嬉しかったです。
ただ未熟児網膜症の心配があり、レイザー治療が必要かどうかの経過観察中には何回か退院が延びて寂しい思いもしましたが、最終的には治療の必要はないと眼科医のお墨付きをもらい、晴れて退院となりました。退院時には、2600gまで成長していました。NICUの担当の看護師さんからは「帰ってからの子育てはお兄ちゃんのときと同じでいいですよ」と、早産児だということを特別意識したり心配したりしなくていいんだと思える言葉をもらい、とても安心して退院後の子育てができています。
3歳になるまでは主治医のいる大学病院小児科のフォロー外来に行く予定です。生後6カ月(修正4か月)の現在は2か月に1回のペースで受診しています。
妊娠中入院になったときは自分の高血圧もあり、赤ちゃんのことだけではなく、自分自身の命についても沢山考えさせられました。そして自分にとってなにが1番大切なのかよくわかりました。この出産の経験を忘れないように生きていこうと思っています。「‘当たり前’だと思っていたことが‘当たり前’なんかじゃなく‘とても尊い奇跡’」だと感じる出産でした。
初めてのことで、怖いこと、心が押しつぶされそうになることがもしかしたら起こるかもしれません。
ただ、人生に無駄な経験はないのではないかなと思います。貴重な時間を心に刻んでほしいです。