早産 31週での出産の体験談

安定期がなかった双胎妊娠

双胎妊娠で、31週で出産となりました。21週(6か月)の時の定期健診で子宮頸管長が極端に短くなっていると言われ、そのまま入院となり2か月の安静生活を余儀なくされました。

 一般的には5か月ごろから「安定期」と言われるようですが、双子の妊娠であったため、安定期はないと言われていましたし覚悟はしていましたが、まさか6か月で胎児はそれぞれ約500グラムの時期に流産するかもしれないと告げられた時には何ともいえない不安を覚えました。

 入院時には通常3センチ程度あるという頸管長が1.1センチしかないと言われ、子宮頸管縫縮術(頸管を糸で縛る手術)を受け寝たままの妊娠生活を送りました。手術のおかげで一応は頸管長はすぐに短くなることはなかったのですが、24週のときに0センチになり、何か異変(破水など)が起これば出産することになると告げられました。このとき胎児は約1000グラム、まだどうにかしてお腹においておきたい時期でした。

 24時間張り止めの点滴を投与され、トイレ以外は寝たまま過ごす生活でしたが「お母さんのお腹に1日でも長くいることが赤ちゃんのためになる」という先生の言葉を信じてひたすら静かに、赤ちゃんが育つことを祈って過ごしました。幸い、胎児は二人ともエコーなどで解る範囲での異常はなく、妊娠週数を経て大きく育ってから出産すれば元気に産まれるであろうといわれていました。

 30週に入ったころから張り止めを長く投与している副作用で肝機能、腎機能の検査数値が悪くなりはじめました。張りも徐々に強くなる日が増えてきて、点滴薬もルテオニンからより強いマグセントという薬剤に変更になりました。体力的には非常につらいものがありましたが、それでも1日でも長くお腹にとどめていられれば赤ちゃんは育つと信じて1日1日を過ごしました。

 最終的には胎児はそれぞれ推定1500グラムを超えたころでした。破水する、陣痛がくるなどの兆候が起こる前に母体の肝機能、腎機能が低下してきましたので、出産することになりました。

 31週6日、あと1日で9か月に入るという日の帝王切開での出産でした。第1子は1882グラム、第2子は1988グラムでの出産、早産でしたので産声を聞くこともできないかもしれないと言われていましたが二人とも元気に声を聞かせてくれました。手術室からそのままNICUに2人とも搬送されました。

 31週でしたので呼吸機能が未熟な状態である可能性があったためでしたが、エコーで1500グラム程度と推定されていた体重は1800グラムを超えており、入院時に500グラムで出産になってしまうかもしれないと思っていたころから考えると赤ちゃんはよくここまで育ってくれていたと思いました。

 出産翌日にはNICUへ赤ちゃんを見に行く許可が下り、夜からは母乳も出始めましたので産後6日間の入院期間は3時間おきに搾乳を行い冷凍をお願いし、1日に1回は赤ちゃんにそれを届け、様子を見に行く生活でした。

 NICUのスタッフの皆さんにとてもよくしていただき、私が退院する生後6日には第2子はGCUに移動となり、その後すぐに第1子もGCUへ移りました。保育器というのは母親の胎内の環境に近い状態をつくっているそうで、40週にあたるころまでは入院となるであろうということでした。

 結局、第1子は38週にあたるとき、第2子は出産予定日の40週0日に退院となり、家に連れて帰ることができました。第2子が退院が少し遅くなったのは新生児無呼吸症候群の症状が改善されず、母乳もよく飲むようでしたし、体重も順調に増えていたのですが、もう少し様子を見て、もう少し・・・といった感じで2週間遅い退院でした。どちらの子も新生児科の先生やNICU、GCUのスタッフにとてもよくして頂いて、それ以外に大きな問題を抱えることなく退院に至りました。

 早産の子どもは成長が遅いということで退院後も成長の過程を定期的に診ていただいていました。私の子どもたちの場合、3歳くらいまでは見ていきたいということでした。生後6か月くらいになると見た目は順調に大きくなっていますが、確かに首がすわる、寝返りをするという成長のステップは本に書かれている一般的なものより遅かったです。大きくなるにつれ、その差は縮まってくると言われていた通り、言葉をしゃべる、走る、といった2歳ごろの成長過程ではあまり気にすることのない、いわゆる「個人差の範囲」程度の遅れになっています。身長体重については順調に大きくなっていったので、2歳半の今では成長曲線の真ん中より少し大きめに2人とも入っています。

 もしかしたらこれから早産が原因となる成長の遅れや障害といったものに直面するかもしれませんが、今のとこ成長を見守っている状況です。

後輩ママへのアドバイス

 私は初めての妊娠で早産を経験しました。妊娠したら大きなお腹で外を散歩し、赤ちゃんグッズを購入し、臨月までお腹で育てて元気に産んで、赤ちゃんを抱いて退院し、3時間おきに母乳をあげて睡眠不足になって・・・。それが当たり前だと思っていました。

 でも想像していた妊娠生活はどこにもありませんでした。あまりに早い入院でしたので、連絡をした親戚、職場の方以外、私の妊娠を知らないまま赤ちゃんが産まれました。大きなお腹で散歩をすることもありませんでした。育児グッズも買いに行く暇すらありませんでした。それでも命がある状態でこの世に生まれてくれただけで感謝です。

 早産でNICUに入院となったため、赤ちゃんのために母乳を直接あげることはできませんでした。入院中の病棟の授乳室では周りのお母さんたちはみんな慣れない手つきで赤ちゃんを抱き、母乳をあげている。その横で瓶を片手に搾乳をするのは産後の疲れもあり少しみじめな気持ちになったのも確かです。赤ちゃんが泣かないのにお乳が張って目の前に赤ちゃんがいないのに搾乳するのはとても負担だとも思いました。

 それでも結果として2か月で退院して家に連れて帰り、育児生活がスタートすると、短い期間のできごとだったように思います。

 育児グッズを何一つ買っていなくても、ネットで探せばすぐ家に届きます。何もなくても赤ちゃんの命があればそれで充分、あとのことは何とかなりました。

 出産の状況は人それぞれですが、私の体験に近い方が励みに思っていただけると幸いです。

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