自然陣痛開始後の誘発分娩の体験談

陣痛促進剤の威力にびっくり。

予定日近くのある朝、起きぬけに生理痛のような痛みを感じたかと思ったら、みるみる痛みが増していき、「もしやこれが陣痛では!」と思い、急いで産科に駆け込みました。すぐにベッドに寝かされ、看護師さんが血圧やら体温やらを測りに来て下さいました。痛みを感じる周期だいたい10分に一度ぐらいだったと思いますが、徐々にではあるけれど確実に痛みが増していくのを感じました。でもこの時点では笑ったり、談笑したりと気持ちにも余裕もありました。しばらくして、子宮口が何センチ開いているかの触診では、まだ1センチ足らずで、先生に「まだまだ頑張ってね、これからだから」と言われるも、その時はこれから待ち構える筆舌に尽くせぬ痛みなど知る由もなく、「はい、頑張ります!」などと能天気に返事をしていたのを覚えています。こうして、10分に一度ぐらい襲ってくる痛み(とは言ってもひっくり返る程ではなく、イタタタとお腹を抱えるぐらい)が3-4時間続いたのち、再び子宮口の開き具合を確認したのですが、相変わらず1センチ止まり…。思ったよりも陣痛の進行が遅いということで、医師から陣痛促進剤を使うと告げられました。点滴に似たような感じで、徐々に私の体の中に入っていく促進剤…。ただの透明な液体かと思ったら、こいつが相当の強者だったのです。

注入してから30分ほど経ったころから痛みの度合いの次元が変わりました。周期は依然10分に一度したが、冷や汗を催すほどの激痛になりました。痛みの到来たび、うなり声をあげざる得ませんでした。こうして痛みがどんどん増す中、4-5時間苦しんだでしょうか。子宮口も徐々に開きはじめ、激痛の周期も短くなり8センチほど開いているという看護師さんの声がかすかに聞こえた気がしますが、もうその時点では、あまりの苦しさに目をしっかり明けることも、人の話を聞くことも難しかったことを記憶しています。「さっさとお腹を切って楽にしてください!」と何度先生に叫んだことか。もうこの時点では照れも恥じらいもありません。

意識が朦朧としながら、ひたすら子宮口が10センチになるのを待った、あの2時間は、おそらく人生の中で一番長い時間であるでしょう。「もう私死ぬかも…」と思った矢先、「はい、起きてね。分娩台に移動しますよ」という声…。遂にその時が来たようです。看護師さんに抱えられどうにか分娩台に上がりました。もう痛みを通り越して、子宮を降りてくる赤ん坊を出したい衝動に駆られ、体が自然と力もうとしてしまうのですが、看護師さんの「まだ!力まないで!」という声。これは本当に拷問に近いものがありました。そして、いわゆる「ヒーヒーフ」の練習を何回かしたかと思うと、先生がどころからともなく、おもむろに手にハサミを持って来きて、不意打ちにあそこをジョキジョキ!しかし不思議なもので、全く痛くないんです!陣痛に比べたら足元にも及ばぬ痛さです。あれよあれよという間にことが進み、7-8回力んだでしょうか。分娩台に乗ってから25分ほどで、元気な男の子を出産することができました。産んですぐに、切られた会陰部を糸で縫うのですが、痛みから解放されたせいか、その作業を黙々と行う先生の姿をやたら冷静に見つめてしまう自分がいました。

後輩ママへのアドバイス

出産には、妊婦さんそれぞれ違ったかたちがあると思います。実際に陣痛が始まらないと、何もわからないということで、初めて出産を迎える方の不安は大きいと思います。ですが、いざ出産となったらどうにかなるものです。また、出産後は育児をしていく上で、様々な悩みや心配事もでてくることと思います。しかし、あれこれ一人で悩まずに、どんどん周りに相談していくうちに、自然と解決されることがほとんどです。困難にぶつかっても、お母さんは「太陽」であることを忘れずに、お子さんにいつも微笑みかけてあげてくださいね。

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