栄養士さんに救われました
離乳食は生後5か月過ぎから医師からの勧めがあり始めました。。離乳食はありきたりですが、離乳食作りの本を片手に、硬さや形態、味つけはベビーフードを参考にしました。また友人や親、保健所の栄養士さんの助言を基に色々と工夫して作りました。よく作ったのは、基本のおかゆ(炊飯ジャーに湯のみをいれて作成)、トマトや豆腐、かぼちゃののうらごし、ミルクパン粥、麺類(うどんやそうめんを野菜で煮込む)です。幸いなことに子供にはアレルギー反応がなかったので、大豆や小麦、卵などの代表的なアレルギー食材には悩まずに離乳食の献立作りに取り入れることができ助かりました。離乳食開始1~2か月は順調に食べてくれ、日々の離乳食作りは楽しいひと時でした。
さて本題はここからです。8か月頃より、離乳食を食べてくれなくなる悩みができました。正確に言うと、食事の量にムラができたこと(標準量以下)、食事に興味を示さずに食事タイムは動き回りぱなしでした。本当にぱたりと8カ月に入ると、それまでたべていた食べ物を口にいれてもべーっと出したり、顔を背けて食べようとしない。サジを払いのけようと必死にされて泣きわめかれる。食べさせようとすると椅子から立ち上がって部屋中をうろうろと動き回る。何とか食べさせようと、動き回っている子供を追いかけまわして食べさせる私。それを何とか避けようと必死になる我が子。こんな状態が2か月ほど続き、毎日床や窓ガラス、壁は食べ物の汚れでめちゃくちゃ、動き回る子供を必死に追いかけまわるので私自身、食事タイムが嫌で、楽しかったはずの離乳食作りが苦痛になり、片づけをしては途方に暮れる日々を送ってました。そんなある日、義理の両親が訪ねて食べている様子を見て言われたのが、「この子が求めている食事じゃないのよ。これ渡すから、ベビーフード買っておいしいものをたべさせてあげて。」とお金をポンと置かれて帰られました。あの時は、母親失格のような烙印をおされたような、惨めな気持ちになり、また主人に話しても「子供が欲しいものをや好みを探すのが母親の役目だろ。」と取り付く島もない状態でした。でもこの困った状況をなんとか打破しなくてはと思い、頂いたお金を資金源にして様々な月齢のベビーフードを購入しました。そんな時偶然にも保健所から「最近どうですか?」と電話相談が舞い込んできました。悩みを打ち明けると、「訪問して生活している様子を見せてください。何か役にたてると思います。」と言われ、藁にすがる思いで訪問を取り付けました。
訪問して頂いた栄養士さんに、普段の調理している様子、食事の形態や食べている様子をみて頂きアドバイスをいただいたのは次のことでした。
まずは、子供が食事よりも遊びや母親とのスキンシップが楽しいと感じているため食事中に遊びだすのではないか、ということでした。食事量が少なくても、口を閉ざしたり、嫌がっている素振りをしていたら、お母さんは勇気をもって食事を片付けることをして下さい、と受けました。せっかく作った食事を残されるのは残念な気持ち、購入したベビーフードを破棄するのはもったいない気持ちでしたが、食べないでイライラする時間よりも、気持ちよく楽しく子供と過ごしたかったので、アドバイス後は、自信をもって残った食事は片付けるようにしました。
また食事と食事の間隔が最低3時間空いていないと、子供はおかなが空いた、という感覚が持てないようです。特に授乳やミルクを併用しているとそれだけで子供のお腹は満たされて、食事は興味なしとなるようです。当時の私の子供の場合、起床後ミルク、朝食7時、ミルク8時、間食10時、昼食12時、ミルク13時、間食15時、夕食18時と合間にちょこちょこ授乳という具合に1日中離乳食と授乳&ミルクでした。指摘された通り、休みなく食事が与えられるのでお腹がすくわけないな、と反省しました。その後、間食を一旦見合わせ、泣いたらミルクか授乳として食事時間の間隔をある程度あけるようにしました。
そして調理方法については、子供がワンパターンでは飽きる時期なので味付けに変化を付けると食べだすかも、と助言を受けました。それまで調味料なし、だしの風味と食材そのものの味で通していたので、ほんの少し味噌や醤油、砂糖を使用するようにしました。そしてジャガイモや豆腐などよく使う食材に調味料で味付けを取り入れました。
そして最後に栄養士さんから、「まだまだ食事を初めて数カ月の子供だから食事を上手に食べることができません。舌が上手に動かせない、歯が十分に生えそろってないので、仕方ないことなんです。お母さん自身が、舌を動かさずにヨーグルトを食べてみてください。きっと上手に食べれないと思います。この状況が子供の食べる能力なんですよ。」と言われました。嘘だと思って、試しにヨーグルトを食べてみたのですが、本当に食べにくい。喉の奥に入らないのがよくわかりました。
最後に、栄養士さんはベビーフードは悪いものではなく、災害時や母親の体調の悪い時、誰かに子供の世話を頼むときに便利だから、3日分準備してあると便利ですよ、と受けました。今まで、食事は手料理で愛情込めて、とばかり思いこみ、ベビーフード手抜きだ、という凝り固まった考えが一気に吹っ飛びました。目からウロコです。3日分なら1回分が100円少しと考えると2000円もあれば潤沢に用意できるではないか、と考え方を改める機会となりました。
沢山の栄養士さんからの助言を受けたことで、子供が食事を食べてくれるという速攻的な解決策ではなかったですが、なるほどと思うことがあり勉強になりました。何より日々苦労している気持ちを共感してもらい、肩の荷がおりた気持ちになりました。義理の両親から受けた言葉も厳しい言葉でしたが、後からなれば孫の成長を第一に考えてもらった言葉なんだったと自分なりに言い聞かせています。
今、子供は1歳半になりました。歯がそろいはじめ、あの時期が嘘だったかのようにゆで卵や肉団子、魚肉ソーセージを口いっぱいに頬張るようになりました。少し困りますが、味噌味が大好きです。「いただきます」「ごちそうさま」ができるようになり、食事時間は15分程度ですが集中して座って食べられるようになりました。あの時、栄養士さんに相談してよかったと思います。あの当時は途方もない時間でしたが、時間がなんとか解決してくれる、それまで母は子供の成長のペースに付き合うしかないんだな、と感じました。
偶然にも電話訪問をきっかけに栄養士さんに救われました。きっかけはどこにあるかわからないですが、ありきたりですが、困ったときは1人で抱え込まず専門家に委ねると前進できると思います。いまだに離乳食の悩みは日々ありますが、時間が解決してくれるのだと言い聞かせています。