子供と目が合わない、視線が合わないの体験談

視線が合わず、返事もしない。そこに人がいないようです。

保育園で過ごした三年間。1つのことに夢中になると、名前を呼んでも全く反応しない次男です。目の前で話をしていていても、目は横を向いてそらしてしまい、問いかけに対する返事はするものの、まるで聞いていない様子に見えました。

年長になり、小学校への入学に向けてひらがなの練習などを始めた頃、なかなか学習に手を付けない次男に、小学校に行くんだよと話をするも、やはりいつも通り視線は合いません。最初は三人の子育てをしている中、あまり下の双子に正面から顔を見て話すことがなかった自分をまずは反省しました。三男は斜視のためもともと黒目が自分の方を向いていなかったので、ひょっとしたら次男も斜視の傾向にあるのかと思いましたが、そうではないと分かってからは本当に悲しかったです。
私はこの子にとって怖い存在なのかなと、やはり日々の自分に反省の日々でした。それでも真剣に私が叱る時は、涙をいっぱいためた目を返してくれることもありました。
当時はまだ発達障害と疑ってはいませんでしたが、話をする時は「名前を呼ぶ」「顔を見て」と言う。「お母さんは怒ってないよ」と明言してから話すを繰り返していくと、少なくとも私の顔だけは見て話をするようになりました。

後に小学校に入学してからは、次男が「みんな」と呼び掛けらても自分は「みんな」という名前でないために自分に言われていなかったと思っていたのだと気づきました。自分に言われていると思っていないので、視線はおろか、彼の意識が呼び掛けた相手に向くことはありません。まるで完全に存在をしない相手のようです。それに気付いてからは、朝の挨拶は子供たち3人に1人ずつ、名前を呼んで挨拶することを心掛けました。
それまで返ってこなかった挨拶も「お母さん、おはよう」と、満面の笑みが返ってくるのを確信すると、1つのキーポイントは名前を呼んでから話しかけるのだと分かりました。

発達障害の診断を受け、療育が始まってからも必ず名前を呼んでからでないと、会話がスタートすることはありません。ですが、忙しく家事をする私に「お母さん、あのね…」と私の目の前に立って話を始めようとする次男は、ちゃんと私を見てくれています。自分で言葉を選んで発言することが苦手な次男でも、呼び掛けてから、顔を見て話さなければいけないという意識はあるようです。
まず意識してくれたことがスタート地点だととらえて、まだまだこれから、目を合わせるためのトレーニングも行っていく予定です。

後輩ママへのアドバイス

我が家の次男の脳は視覚優位で、耳から入ってくる情報にとにかく反応をしてくれません。話しかける時は必ず「名前を呼ぶ」「顔を見る」「何の話をするか伝える」のプロセスが必要です。今から話をするよという情報が目の前にないと、意識はこちらに向いてくれません。

普通の声掛けでは反応を示さなかったり、何かをやりながら日常会話をすることが出来ないのは、かなりの不便を感じますが、名前を呼んで顔を向けてくれた時に私がニコッと笑うと不思議と近づいてきてくれます。近づいてくる時の笑顔に、面倒だけど頑張ろうと思うことができました。

是非、名前を呼んで、お子さんと同じ目の高さで目を合わせてから、まずはママがニコッとしてみて下さい。ママの笑顔は、いつまでも子どもの大好物なのだと思います。

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