体力の限界を超えてから

私は出産前日から入院していました。
臨月になり妊娠高血圧の兆候があったのと、その前の日から前駆陣痛が酷かったからです。
それなのに赤ちゃんは降りてくる気配はなかったし子宮口も開いてませんでした。
ただひたすらずっとお腹が痛くて堪らないという状態が続いていました。
入院した日の深夜に腹痛が酷くなり、内診を受けた時にやっと子宮口が開いてきたと言われて前室に運ばれました。
そこでNSTをしながら本格的な陣痛を待ちました。
横になると助産師さんが寝られるなら少しでも眠って下さいねと言ってくれて、そういえば前日からあまり寝てないなと思い目を閉じたりしてみました。
お腹の痛みが少ない時はふっと眠気に襲われたりすることもありましたが、結局あまり眠れないまま明け方になってしまいました。
夫に連絡しないと、立ち会い出産したいと言ってたから出勤日だしどうするか聞かないと、とメールしようとしましたが、既にお腹が痛くてメールを打てる状態ではありませんでした。
どうにか電話をかけて、夫が出てもあまりの痛さに会話にもならず、その状態でただ事ではないと感じたらしくすぐに病院に来てくれました。
助産師さんには夫が来ると伝えたので早朝にも関わらずスムーズに前室に入ってこれました。
助産師さんにはこの状況なら午前中には産まれると思いますよとこの時言われていました。

それから朝ごはんを吐き気がする中で無理矢理食べて、シャワーを浴びさせてもらいました。
ご飯は産むのに体力がいるから絶対食べましょうと、そしてシャワーは冬だったので体を暖めてリラックスする為に必要だとのことでした。
そしてまた眠れるなら寝て下さいと。
助産師さんの言葉と行動で、いかに出産に体力が必要可ということを痛感しました。

そして朝の内診があり、もう子宮口もかなり開いているのでそろそろ産まれそうだねと言われ、午前10時頃には分娩室へ。もうすぐですからねと言われていよいよだと思いました。
しかし、ここから長くて苦しい出産になったのです。
一旦分娩台に足をかけるところまでいったのに、赤ちゃんが降りてこなくてエコーで診てもらうと、赤ちゃんが回転してませんと言われて一旦前室に戻る事になりました。
しかしもう分娩台から降りるのも辛いくらいで、結局分娩台の上で先生の指示で、右を下に横になりました。赤ちゃんが回転しやすくなり体勢らしいです。
そして陣痛促進剤も点滴することになりました。
陣痛が弱いらしいとそこで初めて分かったのです。
これで弱いのか！と言うくらい痛かったのですが陣痛促進剤を点滴されると更に痛さの波というものが来るようになりました。
ものすごく痛いけれど、冷静にNSTのグラフを見ながらあーそろそろ凄い痛いの来るなとか思っていたりもしました。

赤ちゃんは本当にゆっくりゆっくり降りてきて、陣痛と闘いながらずっと同じ体勢でいるのが本当に辛くて大変でした。体勢ちょっと変えたいなと思っても絶対変えられないのです。
分娩台に乗ってから1時間以上経過し、遂にはこのままだと帝王切開に切り替えるかも知れませんと言われました。
ここまで痛いのに耐えて更に切るのか！とショックでした。でも体力が限界近くて辛かったのも現実です。何よりろくに眠れてなかったので。
陣痛促進剤の効果はあるものの、とっくに産まれていい時間は過ぎていました。
お昼も過ぎて分娩台に乗ってから3時間経過していました。

その時先生がやって来て内診でやっと赤ちゃん出てきそう！と言われました。
正直やっとか！という気持ちでしたが、本当にもう限界まで体力がなくなっているのを感じていました。陣痛促進剤も3時間使ってもらったと思います。
もう少し！もう少し！と助産師さん、看護師さんに沢山声をかけてもらえて踏ん張りました。
最後には看護師長さんまで召喚され、なんと私の上に乗って赤ちゃんを押し出してくれました。
その時に吸引しますと言われたような気がしますがもう覚えてません。

結局分娩台に乗ってから3時間半かかってやっと出産しました。
助産師さんや先生、看護師さん達の尽力の賜物です。
赤ちゃんの頭には吸引の跡が丸く残ってました。
頑張って出てきた証です。
私の体力が尽きようとしていたのに、この子は頑張って降りてきてくれたのです。

分娩室の隣が授乳室で、他のママさん達に10時の授乳の時も頑張ってたのに、13時の授乳の時もまだ出産してなくてビックリしたと言われたので、改めて大変なお産だったんだなと実感したのです。