アッと言う間の吸引分娩
31歳、初産での経験になります。
先日、待望の第一子を無事、出産致しました。
私は明け方4時過ぎに陣痛が始まりました。通院中の助産師さんから「陣痛が10分間隔になって、一時間は経過してから病院に本人が電話連絡して下さい」と事前に言われていた事を思い出し、早速事前に備えて取得していた陣痛カウントアプリを使い、間隔を計りました。すると最初から10分間隔だったので約一時間後に病院に連絡をしました。病院の助産師さんに陣痛が始まった時間と始めから10分間隔で今に至る事を伝えると「5分間隔になったらまた連絡下さい。そのまま陣痛がなくなる事もあるので」と言われました。電話を切り、またアプリで間隔を計ると30分もしない内に5分間隔に。再度病院に連絡。そして主人に付き添ってもらい病院へと向かいました。
私はその前日に検診に行っていたのですがその時は子宮口は2?ほど開いていると言われていましたが調べてもらうと子宮口は5?ほど開いているとのこと。そのまま出産の準備に入りました。
病院は丁度、朝食時だったので朝食を出されましたが痛くてあまり食が進みません。でも体力をつけないと、とパンを数口とヨーグルトをなんとか食べ、助産師さんと出産に備えて更に子宮口を開いていく準備をしました。
そこからが大変でした。
痛すぎて私は気持ちが悪くなってしまい、吐き気と陣痛との戦いがあったのです。朝食を食べたことを後悔した私はお昼はもちろん一口も食べず可愛い我が子が少しでも早く産まれて来ることを願い頑張りました。
頑張り続けた夕方4時ごろ、助産師さんに「このまま頑張ってなんとか今日中に産むか、体力を温存して明日産むかどちらがいい?」と言われました。私は「まだ夕方の4時で今日が終わるまでまだまだありますけど」と驚きました。その時点で体力はヘロヘロでもう限界と思っていましたが「今日中で」と即答しました。
そこから助産師さんは今日中に産むモードに切り替わりました。
イキむ練習に入り何度も何度もいきみますが子宮口が完全に開いていないとのこと。痛い最中、今度は壁に手をついて立っていきみ子宮口の開きを目指します。
やっと開いたのですが助産師さんいわく、赤ちゃんの頭が大きくひっかかっているのでここからが長いですよ、とのこと。
いきむ度に「もう体力がないよ」と心が弱音をはきます。
でも付き添って一緒に頑張ってくれてる主人や助産師さんを見ると頑張らないと、と思い、口に出しては弱音を言えずただひたすらいきむ事に集中します。
どれくらいそうしていたかわかりませんが助産師さんが「まだ破水してないけど、多分このままだと自然に破水はしないと思う。チョット切れ目を入れて破水させたら出てきやすくなるから破水させます。」と、言われ破水してもらいました。
それでもいきんでもいきんでも状況は変わらないようで今度はお手洗いで用をたすように言われました。
おしっこが溜まっているとそれも出産の妨げになるとのことでした。ふと我にかえると私は痛みで尿意を忘れているのか感じず、病院についてから一度もお手洗いに行っていませんでした。
痛い身体をなんとか動かし、お手洗いへ。それでもそれから何度もいきみましたが一向に進行した様子はありません。
すると今度はスクワットをしてその重力で赤ちゃんが下りて来るように頑張ることを提案されました。
少しでも動くと身体が痛かったのでさすがに泣きそうになりましたが少しでも早く産みたい私は必死にスクワットをなんとか体力を振り絞ってします。するとやっと赤ちゃんが少し下りてきてくれました。
ところがその頃、私の陣痛が弱くなってきてしまいました。先生から子宮の力が弱まってきてるから陣痛促進剤を打ちましょうと言われ、同意書に主人と私はサインをし、促進剤を打ってもらいました。
そのかいもあって痛みの間隔は元に戻りましたが、赤ちゃんがいきんでもいきんでも、頭がひっかかったまま状況は変わりません。痛みの中、いきむ事に必死でどれくらい経ったのか覚えていませんが次に先生が来られた時「お母さんはすごくいきむのも上手ですがさっきから赤ちゃんの心拍の数値を見ているとチョット赤ちゃんが体力が疲れて来てるみたいです。なのでこれを入れて赤ちゃんを引っ張り出す手助けをします。」とお手洗いで使うスッポンのような装置を見せられました。
何でもいいから産まれて来ようと頑張ってるこの子の為にも早く出して下さいと私は頷きました。
そこからはアッと言うまでした。
先生がその機具を私の子宮に入れて次の陣痛が来ていきんだ瞬間、助産師さんが私のお腹を体重をかけてドンと押したところで「頭が出ました」の声が聞こえました。「お母さん、見てください。頭が出ましたよ。次にいきんだら終わりです。」と言われ、アレよアレよと無事、出産を終えました。
最初の陣痛から16時間以上が経った、21時近くの出産でした。無事に産まれたから言えることですがそれを使ってサッサと出してくれたら良かったのに、とも正直思いました。
出産後に、促進剤を打つ事になった時に記入した同意書を読んで色んなリスクがあるので簡単にはその流れは踏めない事を知ったのですが。
説明をしても聞けるような状況じゃないかもしれませんがリスクなど何も聞いていなかったように思うので、そういった説明もあるべきでは、とも少し思いました。
今回の出産に向け、私は初産だったので安産を目指し、安定期を過ぎた頃から出産日までほとんど毎朝30分近く、調子がいい時は昼も追加で30分歩いていました。
また体重も気にかけ妊娠前に比べプラス8kgに抑えていました。
こんなに気をつけているから絶対に安産だろう、と思っていたのですが、予想を裏切り吸引分娩が必要となりました。
その日に出産された方は同じ病院で数名いたのですが、入院中の検診待ちでの会話でその人たちの中では私が一番長い分娩だった事がわかりました。
またその人たちに比べると明らかに違うと感じたのは体力です。
皆さん立ち話をしたりスタスタと歩いているにも関わらず、私は息切れがひどくゆっくりしか歩けない上に立っているだけで汗がとまりませんでした。
安産を目指して色々頑張ったけど、骨盤の大きさや赤ちゃんの頭の大きさの前ではそういった努力はあまり意味をなさなかったな、と思いました。
とは言え、それをしていなければもっと大変だったかもしれませんが…。
出産する迄は痛みやその流れ、立会いについても不安や心配も感じていましたが、いざその時が来ると流れに身を任せるしかなく、考えるだけ無駄だったな、と今では思います。もし不安や心配を感じたら、産まれてくる赤ちゃんとどんな風に楽しく過ごすか、幸せを築いていくかを考えてもらった方が私はいいと思います。
私の場合はそういった時間で築いたまだ見ぬ赤ちゃんへの愛おしさが陣痛の痛みに負けそうな時、「この子も一緒に頑張ってくれてる」と弱まった心を支えてくれたからです。
出産の後の優しい幸せな時間を楽しみに、限られた大切なマタニティーライフを楽しんで下さい。