34週6日での出産体験
私は34週6日で2,404グラムの男の子を出産しました。
妊娠当初は経過順調でつわりも軽く、これといって特に問題のない妊婦でしたが、27週4日の早朝突然破水してしまいました。
布団で寝ていて寝返りをした瞬間に、おしりに水をかけられたような感覚がしました。
最初は尿漏れか破水かわからず、トイレで下着のにおいをかいでみたりしましたが、それまでに尿漏れの経験がなかったので破水の可能性が高いと思い病院に電話、すぐに来てほしいと指示され夫に車で病院へ連れて行ってもらいました。
診察の結果、高位破水・切迫早産ですぐに入院となり、ウテメリンと感染症予防の点滴、胎児の肺機能の成長を補助する注射を打たれ、寝たきりの絶対安静となりました。
ネットなどで破水後どれくらいで赤ちゃんが生まれてしまうのか調べてみると、1週間ほどで生まれる場合が多いとのこと。
まだ27週での破水だったためそんなに早く産んでしまうことへの恐怖と、何がいけなかったんだろうと不安でいっぱいでした。
お医者様の説明では今のところはまだ大丈夫だけど、羊水がなくなってしまい、赤ちゃんがおなかの中にいられなくなった場合は帝王切開になり、その後赤ちゃんは病院併設のNICUに入ることになるとのことでした。
まだ自分が出産をするという心構えもできておらず、赤ちゃんがNICUに入ることもうまく受け止めることができませんでした。
でも、今の私にできることはできる限り動かないで、おなかが張らないように気を付けることだけです。
寝返りも極力しないで、お風呂にも入らない生活がはじまりました。
入院して1週間が経過しましたが、まだ羊水はなくなっておらず、赤ちゃんも元気とのことでした。
経過は順調で、この分ならまだおなかに赤ちゃんを入れておけると言われ、本当にうれしかったです。
このときまでは知らなかったのですが、羊水はほとんど赤ちゃんのおしっこらしいです。
おなかの赤ちゃんがおしっこをして、なくなった羊水を少しずつ補ってくれているとお医者様から聞いて、がんばっているこの子のために私も頑張らないといけないと思いました。
入院から3週間ほどたった頃、朝起きると少量ですが出血していました。
破水してから常に羊水が少しずつ漏れ出ている状態でしたが、出血をしたのは初めてで血の気が引きました。
診察の結果、おそらく張りがあった時に子宮と赤ちゃんを囲っている羊膜がこすれて、そこから出血したのではないかと言われました。
赤ちゃんに何かあって、もう出産しなくてはならないのかと思っていたのですが、赤ちゃんは変わらず元気でまだ持たせられるとのこと。
ただ、ウテメリンの投与量は増えました。
私は副作用がそれほど強く出るほうではなかったのですが、指先の震えやむくみがつらかったのを覚えています。
出血はその後も続きましたが赤ちゃんに問題はありませんでした。
その後妊娠週数も32週を超えて少し安心できる状態になりました。
でも、できれば生産期の37週までおなかの中で赤ちゃんを育てたいと思っていました。
ですが、妊娠34週6日の朝、トイレに行くと今までにないほどの大量の出血をしており、おなかの赤ちゃんは元気だけど、もう点滴をやめて、普通分娩でお産に入ろうということになりました。
ここまで来たら37週を迎えられるのではと油断していたので、正直戸惑ってしまいました。
点滴を抜いたらその日の夜か、翌日には生まれるらしく、ついにこの日が来てしまったのかと不安でたまりませんでした。
ウテメリンを抜いて、代わりに栄養剤と感染防止の点滴を打たれ、陣痛室へ運ばれました。
陣痛はそれから3時間後に本格的になりました。
看護師さんたちには、重い生理痛みたいなものと言われていましたが、私の場合は腰やおしりを木槌で打ち付けられているような痛みでした。
痛くて痛くて、痛い以外の言葉を出すのもつらいほどで、ベッドの柵につかまりながら必死で痛みをやり過ごしていました。
息を止めると多少痛みが楽になりますが、そうすると赤ちゃんが苦しいので、なんとかして息を吸ってはいてという感じでした。
陣痛が始まってから9時間後に分娩室に移動し、それから1時間で2,404グラムの男の子を出産しました。
すぐに赤ちゃんは保育器に入れられ、小児科の先生たちが処置をしてくれていました。
私はその間後産と、切られた会陰の縫合をしてもらっていました。
赤ちゃんはまだ肺の機能が弱く、呼吸器をつけることになりました。
10日間NICUに入ることになりましたが、最初のうちは黄疸が出て光線治療をしたり、たくさんの点滴に小さな手足がつながれていたりして、見ているのがつらいこともありました。
毎日面会のたびに搾乳をもっていって、それを赤ちゃんに飲ませていました。
生後5日目ごろから直母できるようになりましたが、最初は飲む力が弱く、飲めても15ccほどでした。
このころから点滴がはずれ、NICUからGCUに移動になりました。
少しずつ元気になっていっている様子がわかって、またもうすぐこの子を連れて家に帰れるんだとうれしくなりました。
だんだんとミルクやお乳を飲む量も増えて、顔色もよくなり、肺の機能も十分回復したのでようやく退院となりました。
今、息子は4か月6,800グラムになり、低体重児で生まれたとは思えないほど元気に大きくなっています。
発達にも今のところ特に問題はなく、よく笑い、よく泣いてよく食べ眠ります。
お世話をするのは大変ですが、本当に子どもはかわいいです。
切迫早産の原因は色々とありますが、気を付けていてもなるものはなってしまいます。私も、今でもどうして破水に至ってしまったのか原因がわかっていません。
ただ、もし切迫になってしまってもご自分をあまり責めないでください。
それよりもおなかで出来るだけ赤ちゃんを育て、元気に生まれてきてくれることを希望に、地道に安静をがんばってくださいね。