まさか自分が【子宮外妊娠】をするなんて
私が第一子を妊娠する前の出来事です。丁度、生理予定日に黒っぽいおりものがあり、生理がきたのだと思っていました。しかし翌日も翌々日も、生理の出血ではなく、おりものが出続けているだけでした。少し胸やけの様な感じもあったので、妊娠したのかもしれないと思い検査薬を使いました。妊娠4週にあたりますが、極薄の陽性反応が。この時点で、薄い→流産だと思い、本格的に生理(流産)になるのを待ちました。しかし、黒いおりものが続くばかりで、いつまで経っても生理にならず、再度検査薬を使ってみる事に。妊娠5週にあたるのですが、なんと前回よりも濃く、ハッキリとした陽性反応が出ました。妊娠が継続しているにも関わらず出続ける黒いおりものが気になり、婦人科を受診する事にしました。妊娠6週頃になりまししたが、婦人科のエコーでは子宮に何も映らず、再度検査薬を使うと、今度は線の色が薄くなっていました。担当の医師に「子宮外妊娠の可能性があります」と告げられ、採血をする事に。私は、子宮外妊娠というものが自分の身体の中で起きている事を実感出来ずにいました。採血の結果は、妊娠が継続しているにしては(HCGの値が)低く、流産にしては高い、という事でした。それはやはり、子宮外妊娠の可能性が高いという事。そして子宮外妊娠の手術が上手な医師がいる、大学病院付属の大きな病院へ紹介を受けました。赤ちゃんはどうなるのだろう。この子はもう生きられないのだろうか。そんな事をぼーっと考えながら一人でバスに乗り、紹介先の病院に向かいました。手続きを済ませ婦人科の前の待合室に座っていると、お腹の大きな患者さんが視界に入りました。なんで私は普通に妊娠出来ないのだろう。そう思うと急に泣きそうになり、下を向いて涙を堪えました。その後、仕事を早退してきてくれた主人と合流し、二人で医師の話を聞きました。診察ではエコーで念入りに子宮内を見てくれて「ここにいるかもしれない!」と、卵巣と卵管の近くにある黒い影を見つけてくれました。そして今後についての選択肢の説明を受けました。1つ目は卵管が破裂する前に手術をして卵管ごと取る事。2つ目は抗がん剤を使って胎児を散らしてしまう事。3つ目は自然に流産になるのを待つ事。ただし、意図的に自然流産に促すことは出来ないので、最終的には手術をする必要があるかもしれない。そう言われ、夫婦揃って無言でショックを受けていると「今日と来週もう一度採血をして、値を見てから決めましょうか」と言ってくれました。私達はそれをお願いし、採血をして帰宅しました。翌週(妊娠7週頃)、再度検査のために朝一で病院へ行き採血をしました。結果が出るまでの約1時間、ただ放心状態で待合の椅子に座っていました。名前を呼ばれて診察室に入ると、「HCGの値下がってますよ!このままで大丈夫!」と笑顔の医師。私は一気に緊張がほぐれ、思わずその場で泣いてしまいました。そして、忘れた頃に生理より少し多い出血があるので気を付けてください、と説明を受けました。そして3週間ほど経ったある日(妊娠10週頃)、お腹の痛み等も無く、生理よりも多めの出血があり、流産となりました。流産はとても悲しい事ですが、この時は母体に何の負担も掛けずに出てきてくれた我が子に感謝しています。
子宮外妊娠は今回の私の様な自然流産になるケースばかりでは無いと思います。激しい腹痛が続いたり、一歩処置が遅ければ死に至る場合もあります。そして、他人事のように感じているかもしれない子宮外妊娠ですが、妊娠を望む女性であれば、必ずしも可能性のある事です。自身の生理周期を把握したり、婦人科への受診を怠らない事が、とても大事だと思います。