トイレに行くのが怖かった日々
不妊治療の末妊娠。
喜びもつかの間、妊娠5wの終わり頃のある日仕事中に下腹部が痛みだした。
嫌な予感がしてトイレに駆け込むと結構な量の出血(いわゆる生理2日目レベル)をしていた。
早退し、自宅で安静にしていたがダラダラとまだ出血。
体外受精での妊娠だったためその頃はまだ不妊クリニックに通院していて(9週目を迎えて初めて不妊から産院に転院となるシステム)、まだいわゆるかかりつけの産院がなかった。
不妊クリニックは県外だったこともありとりあえず近所の産婦人科へ。
患者が多く待ち時間がかかるということで1人不安な気持ちを抱えながら待合室で座っていると、妊娠初期で出血していると知った看護師さんが別室のベッドに案内してくれた。
待つ場所が変わっても不安は変わらず、やっと授かったのにもうダメなのかなぁ?と涙がこぼれそうになった。
ベッドに備え付けられていた小さなテレビをボーッと眺めつつ、スマホでひたすら「妊娠初期 出血」と検索し続けた。
やっとの事で診察。
エコーを見ると、小さな血腫があった。
診断としては「絨血膜下血腫、切迫流産」。
これから1ヶ月間とにかく家で寝ていなさい、と言われた。
それもなるべくなら自宅ではなく実家で、とも。
自宅にいるとなんだかんだで家事をしたりしてしまうかららしい。
通院も電車バスは禁止、タクシー移動で、と。
シャワーも数日は禁止。
7月半ばという暑い時期だったが、タオルで身体を拭く程度は許された。
「大げさな」と思わなくもなかったが、無理をすれば血腫ごと赤ちゃんが体の外に出てしまうよ、みたいなことを言われて身が震えた。
お腹のハリを抑える薬を処方され、受付の方が呼んでくれたタクシーで帰宅。
それからしばらく寝たきり生活を開始。
不妊クリニックの診察日には夫に車で送迎してもらった。
6wで力強い心拍が確認出来、不妊クリニックの医師からは「出血があっても、心拍が確認出来て赤ちゃんが元気なら大丈夫だ」と言われる。
その医師からしたら初期の出血なんてよくあることみたいで、仕事も無理ない範囲でどうぞというスタンス。
医師によって見解が色々なんだなと少々混乱した。
安静期間2週間ほどを経て職場に復帰。
それでも出血自体はまだあり、それを目視するのが嫌で、いつしかトイレに行くことが恐怖になってしまっていた。
当時自宅で香り付きのトイレットペーパーを使用していたが、その香りを嗅ぐだけで心がザワザワしたりした。「トイレ=出血」みたいな方程式が頭に浮かんでしまって。
結局いわゆる安定期近く(13〜14wくらい)までダラダラと少量の出血は続いたが、それに反してエコーの中の我が子は元気にどんどん育っていった。
血腫も小さくなりいつしか消えていた。
「胎盤が完成する頃には出血もなくなる」と言われていたが、その通りだった。
その後産前から抱えていた子宮筋腫の変性でまっすぐ歩けないくらいの激痛に襲われたりはしたが、他にトラブルらしいトラブルもなく胎児はすこぶる元気で無事出産に至り今は1歳になった娘の育児に奮闘中です。
出血は本当に不安だと思います。
ちょっとしたことでも遠慮せず産婦人科に電話するなり受診するなりしてください。
産婦人科は忙しそうだし、つい「この程度で…」と迷いがちなのですが、大事な命のことですから。
受診の結果何もなかったのならそれはそれで安心出来ますから。