いつもの風景、ここだけ違う空気 。

妊娠検査薬で陽性反応を確認後、次の日に産婦人科を受診して、妊娠が確定しました。私にとっては三度目の妊娠です。上の子供たちと同じ産院、同じ先生で、落ち着きもありました。

喜びをかみしめていたのですが、一週間後の診察で、「子宮内に出血した跡がある」と言われました。はっきりとした原因は分かりませんが、微量の出血もあったので、なるべく安静にするようにとのことでした。

少しは心配でしたが、一人目も二人目も、安産だったのもあり、今回も無事に育つのだろうと過信していたんだと思います。上の子の用事でいつもどおり自転車に乗って長距離を移動したりしていました。

しかし、少量の出血が続いており、日ごとに出血の量が増えていくようなので、次回検診を待たずに受診したところ、前回から比べて胎のうなどが成長しておらず、心拍も確認できませんでした。「難しいかもしれない。流産へ向かっている可能性が高い」と言われました。

先生の話を聞きながら、涙をこらえることができませんでした。診察を終えて待合室で会計を待っている時、お腹の大きい妊婦さんがかもし出す幸せのオーラが眩しくて強くて、まともに見れませんでした。そしてこんな暖かく幸せな空気の中で、私だけ悲しみに沈んでいたのですが、それを客観的に見ている自分もいて、「そうか…産婦人科の中には、こういう人も受診しに来てるんだ」と初めて気づいたりもしたのでした。

それからも出血は続き、生理の多い日よりもさらに多い出血量になり、一週間後受診してみると、もうお腹の中に赤ちゃんはいませんでした。血と一緒に流れていってしまったそうです。妊娠5週でした。

特別な処置は何もなく、次の妊娠も可能だと言われました。