長い長い陣痛とのたたかい
私の場合、日頃の検診でとくに何の問題もなく、臨月の検診では「だいぶ赤ちゃんの頭が下がってきているのでいいお産になるでしょう」と、先生にお墨付きまでもらうほどでした。私も初産婦だったのでその言葉を信じて安心していたのですが、実際経験した後では、本当に出産とは何が起こるか分からないものだと思いました。
その時39週だった私のお産は思っているよりなかなか進みませんでした。赤ちゃんの頭はもう検診の時から下がっていたので問題なかったのですが、子宮口がなかなか全開にならなかったのです。しかし陣痛はどんどん強くなってきて痛いし、部屋がものすごく暑いと思ったら38度の熱まで出ていました。そして何度も嘔吐を繰り返し、何回帝王切開に変えてほしいと言おうと思ったかというくらい辛かったです。
あまりに長い陣痛なので、先生たちは陣痛促進剤を使うことにしました。一応私に了承を得にきましたが、1秒でも早く出したい私は何でもいいから早くやってくれというように頷くことしかできませんでした。その時の心境はこれで陣痛が強くなって更に痛くなるのかという恐怖と、これで出産に近づくことができるという安心が半々くらいでした。
そしてとうとう促進剤が打たれた後、更に痛みが強くなるというので身構えていたのですが、なぜか思った以上の痛みは来ませんでした。しかも何だか痛みに慣れてきたのか陣痛が弱まっている気すらして、だんだん眠たくなってきました。それに気付いた先生は、あまり陣痛が強くなっていないので量を増やしますと言って更に促進剤を打ちました。その後ようやく強い陣痛がやってきたのですが、それでも子宮口はゆっくりしか開かず、正直痛すぎて私は覚えてないのですがおぼろげながら3回ほどは促進剤を打ったのではないかと思います。
そうしてようやく子宮口が全開になり分娩室へ行くとなった時、まだ産まれてもないのに、助かった、と心の中で思いました。後は出すだけだったので。分娩台に上がってからは早かったです。出すのには少々手こずりましたが、陣痛に比べれば大したことありませんでしたので、出産の痛みとは陣痛のことなんだなと今回の出産で分かりました。
先生に安産とお墨付きをもらった私でさえ、出産はかなり大変なものになりました。後で後悔したことは、赤ちゃんの頭がいい具合に下がってきていたのでそれにあぐらをかき、子宮口を広げるためにまったく運動をしていなかったことです。先生からは運動もしてねと言われていたのに、まぁ大丈夫だろうと何もしてこなかったので、ちょっとした軽い運動くらいしておけばこんなに辛くはなかっただろうし、ぜひ安産のためにはおすすめします。