自然分娩から誘発分娩へ
私の場合は38週と4日目の日に高位破水から始まり、まだ陣痛が来ていない時点での入院となりました。夜の9時頃に入院し、陣痛が始まったのは日付を回った頃でした。私は初産でしたが思いのほか陣痛が順調に進み、朝を迎える頃には陣痛も激しい痛みとなり、子宮口も5cmまで開きました。助産師さんからも「このままの調子でいけば、お昼頃には赤ちゃんに会えそうね」と言われ、無事に自然分娩で出産する事ができると安心していました。ところがそれ以降、どれだけ強い陣痛に耐えても赤ちゃんが降りてくる様子がなく、どうやら赤ちゃんが横を向いたまま頭がきちんと旋回できずにいたようで、お産の進行が止まってしまいました。あまりの激しい痛みに朝も昼も食事が出来なかった私は次第に体力がなくなり、陣痛の間隔もあいてしまいました。更に昨晩からの陣痛で一睡もしていなかったため睡魔も加わって意識が朦朧とし始め、陣痛の波が来ても踏ん張る力さえ無くなっていました。そして先生が入ってきて内診し、何度か陣痛の波に合わせてお産の手伝いをして下さったのですが、それでも赤ちゃんは出てきません。どんどん体力の無くなっていく私を見て、先生たちが促進剤投与の相談をし始めました。私は友人から促進剤の辛さを聞いていたので出来れば使いたくないと思っていましたが、私の体力も限界に近付き、何より赤ちゃんも長時間苦しんでいると思うと少しでも早く出してあげたいという一心から、激痛に耐える中で促進剤投与の同意書にサインをしました。そして自然分娩から促進剤を使っての誘発分娩に切り替わったのです。13:00過ぎに促進剤を投与し、そこからは怒涛のように激しい陣痛の波が押し寄せてきました。それでもなかなか赤ちゃんの頭が出てこず、会陰切開をした上で内診されて子宮口を広げられました。陣痛の痛みを感じながらも、会陰の切ったところが裂けていく痛みもはっきりと分かりました。あまりの激痛に訳が分からなくなり、ひたすら助産師さんたちのかけ声に合わせて力の限りいきみ続けました。どれくらいの回数いきんだか分かりません。しかし促進剤を投与してから3時間後、ようやくその時が来て、赤ちゃんの頭がやっと出てきてくれました。その後はツルンと体が出てきて、すぐに大きな声で泣いてくれたのを今でも覚えています。カンガルーケアをさせてもらって、初めて自分の胸に我が子を抱いた感動は一生忘れません。自然分娩から始まり予想外の誘発分娩になり、想像以上の痛みを経験しましたが、無事に生まれてきてくれた事にただただ感謝しています。
促進剤の効き目には個人差があると聞きましたが、私は激しい痛みの中でひたすらお腹の中の我が子に話しかけ、自分だけではなく同じように苦しい思いをしている我が子と一緒に乗り越えたと思っています。もし、誘発分娩で辛い陣痛を経験された時には、是非お腹の中の赤ちゃんと一緒に頑張っていただけたらと思います。