妊娠すれば生まれるものと思っていました
妊娠検査薬で陽性が出て産婦人科へ。それは妊娠5週のことでした。
初めての思いがけない妊娠発覚でしたが、主人といろいろ雑誌を買ったり、食べるものに気をつけたりと自分の身体をいつも以上に気遣っていました。
そのころ、来るはずのつわりもなく、毎日ケロッと過ごしていました。
「つわりがない人もいるし、もしかしたら私はそのタイプなのかも」と深く考えていませんでした。
しかし9週を過ぎ、エコーで心拍音がないこと・成長が見られないことを理由に医師より稽留流産であると告げられました。
おそらくもともとの染色体異常であると。
だからご自身を責めてはいけませんよと言われました。
出血など体調の異変は全くありませんでした。
予想外の妊娠でしたが、言葉にできないほど深く悲しみました。
私は11週で処置手術。1泊でした。
手術日前日午後に入院。前処置(子宮口を広げる)を行います。
下腹部に鈍痛を感じました。
そして翌日の手術。全身麻酔なので意識のないうちに痛みもなく、あっという間に終わってしまいました。
術後は1週間湯船に入れないなど以外はすぐに普通の生活に戻れます。
1か月半後に生理がありました。
つわりなどの体調の変化がなかったので、「妊娠した」感覚はあまりありませんでしたが、「あぁ、なんで私がこんな経験しなきゃいけないんだろう」と虚無感でいっぱいでした。
たくさんたくさん泣きました。
私は20代半ばだったので、リスクもなく普通に出産するものだと思っていました。
しかし年齢は関係ないのだと。
先生はそして4人に1人は起こりうることだと。
稽留流産は心にとてもとても深い傷を負う経験だと思います。
そしてその心の痛みは経験した方でなければ到底理解できないと思います。
私の職場の部長が私にこう言いました。
「今は悲しいけれど、必ず時が解決する」
私にとって「次がある」よりずっとずっと励まされました。
もし稽留流産に直面している方がいたら、「誰のせいでもない。たくさん泣きたいだけ泣いて悲しんだらいい。そしてその悲しみは時が解決する」と伝えたいです。