幸せから一転。目の前が真っ暗に

32歳の夏に妊娠が分かりました。7週目に入る頃でした。待ちに待った赤ちゃんです。不妊治療を始めてから辛いことが有りましたので、本当に嬉しかったです。少し胃がムカムカすることもあり「これが悪阻なんだな」と、それすらも嬉しかったのです。
8週目の受診時に言われたのは「胎児が育っていない」でした。私は先生の言葉を理解することができませんでした。「胎嚢が育っていない。このままではいずれ流産になる」次から次へと予想していなかったことを言われ、頭が真っ白でした。だってエコーの画面には赤ちゃんがいるのです。診察室で再度説明をされました。「先生は随分冷静なんだな。」なんて考えていました。
持って帰って来た用紙には「稽留流産」の文字。自然に流産するのを待つか、手術するか決めなさいと。手術方法は中絶と同じと言われ、赤ちゃんにそんな辛い思いはさせたくないので自然に任せることにしました。まだ私は赤ちゃんは元気だと思いたかったのです。先生の診断ミスなんだと。
主人にどう説明したのか、覚えていません。この頃はぼんやりしていたような気がします。
診断されてから10日たった日の夜、お腹が痛くなりました。歩くのもままならずに這ってトイレへいきました。座るのもやっとです。痛くて蹲っていると、何か塊のようなものが出たのです。直感で分かりました。泣きながら謝りました。守ってあげられなくてごめんねって。気がつくと主人がいました。泣いていました。
「赤ちゃんは忘れ物をしちゃって、取りに行ったんだよ。」主人はそう言いました。この言葉に救われたように思います。「また来てくれるよね。待ってるからね」って。
その後、生理が来たので再度病院へ行き内診でした。残留物がないか等のチェックです。問題無しでしたので治療を再開しました。