稽留流産の体験談

ありがとう。ごめんなさい。

生理が来ない事をきっかけに婦人科へ行くと、妊娠が発覚。待ちに待った子供を妊娠した事に喜びが溢れました。妊娠5週目でした。

次の健診では胎嚢を確認する事ができました。

しかし、妊娠8週目になっても心拍が確認出来ず胎嚢の大きさも全然変わってない。

先生が少し雲った表情で、また来週来て下さい。と言ったので、とても不安になりながら帰宅しました。

次の健診までの間、お腹の子が育っているかどうか心配で毎日気が気ではありませんでした。

そして健診の日。

やはり心拍を確認する事が出来ず、胎嚢も成長しておらず、稽留流産であると診断されました。私は頭の中が真っ白になり、わけもわからないまま手術の予約をし、1週間後にお腹の子を取り出す手術をする事になりました。

つわりも普通にあったし、無理な事もしていない。特に変わった事なんて全然なかった。なのになんで?

そんな事を思いながら帰宅しました。

相変わらずあるつわりにまだこの子は生きようとしてるんじゃないか?診断が間違ってる!などという考えが頭の中でぐるぐるして、毎日落ち込んだ日々を過ごしていました。

手術を3日後に控えた日に、仕事をしていると下腹部に違和感を感じトイレに行くとショーツに真っ赤な鮮血がたくさんついていました。仕事が忙しい時間だったので慌てて多い日夜用のナプキンをつけ、仕事に戻りました。

だんだん頭痛がしてきて、血が出て行く感覚に吐き気を催しました。

顔色が悪くなっている事に気付いた同僚が仕事を変わってくれ急いで婦人科に電話をした所、とりあえず様子を見てくださいと言われ帰宅する事に。帰宅しトイレに行くと、1時間ほど前に付けたナプキンがタプタプになる程の血が出ており、体調は悪くなる一方。

その時、何かが出てくる感覚がし下半身に力を入れると、にゅるっという感触と共に何かが出てきました。

恐る恐るショーツを下げそれをみてみると、白子のようなものがナプキンについていました。慌てて婦人科に電話すると、それを持ったまま来て下さいとのこと。

急いで婦人科に行き、白子のようなものを渡し、診察台で検査を受けました。

診察結果は、白子のようなものは胎嚢で、もうお腹の中には赤ちゃんがいなくなってしまった事。しかし胎盤の元になるものがまだお腹の中に残っているから手術が必要だという事でした。

胎嚢は婦人科で検査をするというので助産師さんに渡し、私はただただ呆然とする事しか出来ませんでした。

次の日手術をする事になりました。

不思議とつわりや頭痛がなくなっていた事に家に帰りながら気付きました。

手術の日の朝、出血もなくなっており母に送られ婦人科へ行きました。

手術は子宮内容除去術というもので、全身麻酔で行われました。実際の手術時間は10分程度でしたが、私には無限のような時間に感じられました。

手術が終わって意識が戻ると、涙が勝手に溢れ大泣きしてしまいました。

ベットに運ばれたものの麻酔の影響でまだ体が十分に動かせず、完全に私の中から赤ちゃんがいなくなってしまった事にただ泣く事しか出来ませんでした。

2時間ほどすると、助産師さんが来て体の確認をされ帰っていい事になりました。

多少の怠さはあったものの、普通に体は動かせました。

その後はつわりなどの妊娠症状もなくなり、妊娠していない時のもとの体の状態に戻りました。

後日、婦人科の方で稽留流産の原因は染色体の異常のせいだと教えてもらいました。

母体に原因があって流産したわけじゃないと、、、。

それでも、どうにかしてお腹の子を守ってあげられたんじゃないか、何がいけなかったんだろうって自分を責め続けました。

そんな日々を過ごしていた時、旦那に言われたんです。

そんなに自分のことを責めたら亡くなってしまった赤ちゃんがかわいそうだ。

あの子は俺達を選んでお腹の中に宿ってくれたんだよ。

それにあの子はきちんとお前に産んで欲しかったから、俺達に姿を見て欲しかったから、だからきっと手術の前に出て来たんだよ。

あの子はお前のお腹の中で7週間一生懸命に生きた。お前はあの子に精一杯の愛情をそそいだんだろ。

それなのにお前が毎日そんな顔してたらあの子が悲しむ。可哀想だよ。

もういなくなってしまったけど、あの世にいる我が子に2人でたくさんの笑顔を届けよう。と。

それからは、流産した事を悔やむのではなく大切な我が子との思い出と思うようになりました。


守ってあげる事が出来なくてごめんなさい。

でも、あなたが私達の所にきてくれて、過ごした7週間はかけがえのない時間でした。たくさんの喜びを教えてくれてありがとう。

お空でたくさんの友達が出来るといいね!

後輩ママへのアドバイス

妊娠中の方。

妊娠中はいつ何が起こるかなんて誰にも予想が出来ません。私のように、染色体の異常など防ぎようがない事が原因で流産してしまう事だってあります。今、我が身に宿るかけがえのない命を、どうか大切にしてください。


流産された方。

稽留流産は悲しい事です。お腹の中にはまだ赤ちゃんがいるのに、生きてはいない。

母にとっては本当に辛い事。それでも自分達を選んで宿ってくれた命に、数日だったとしても一生懸命生きてくれた命に、たくさんのありがとうを言ってあげてください。そして、悲しい思い出ではなく、我が子と過ごした幸せの思い出として心に刻んであげてください。

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