稽留流産を乗り越えて
当時私には2歳の子供がいました。妊娠検査薬が陽性となり、子供と手をつないで大喜びで産婦人科に行ったのを覚えています。
「おめでとうございます。6週目ですね。
しかも双子ですよ!」
双子と聞いて喜びは倍になりました。
帰宅した次の日辺りから悪阻が始まりました。軽くはあるものの、胃もたれ感があり妊娠を実感していました。
しかしそれから1週間くらいしたころ、悪阻が軽くなった気がしたのです。
悪阻が終わるには早いよな?と不思議に思いました。しかしまさか流産とは微塵も思わず検診に行きました。
8週に入っているはずの双子ちゃん、上の子と楽しみに診察室に入りました。
しかし膣内エコーをとる先生は何も喋らず、笑顔もありませんでした。
「前回から大きさがかわりません。成長が止まっています。また来週来てください。」
目の前が真っ暗になりました。
そして祈りながら次の週に言われた言葉は
「稽留流産でしょう。流産手術を行いますので別室で手術の予約を取って下さい。」
別室で看護師さんから説明を受けてる間、上の子をただひたすら抱きしめていました。
こわばった顔を見られたくなかったからかもしれません。
ただあまりにあっけない宣告で、涙は流れずただ呆然とそして淡々と手術について話を進めました。
経産婦のため、特に前処置は行われず手術は行われました。
点滴されると抗えない眠気に襲われ、気づけば手術は終わっていました。
痛くもかゆくもない手術、でもお腹には赤ちゃんはいないんだ…とその時初めて現実の事として受け止めました。
手術が終わると悪阻は全くなくなり、日常の生活に戻りました。
手術を午前中にして、午後には家事をこなせるくらいに。
しかしそれからしばらくはネットで流産の原因を調べたり、何故私だったのか悩む日々が続きました。
稽留流産は誰にでも起こりうる事です。
誰が悪いわけてもありません。
私は最初お医者さんにそう言われても納得いきませんでした。
何故私なのか、何故私の赤ちゃんだったのか。
しかし今となれば仕方ない事だったのだと思います。
きっと新しい出会いがあると信じています。