無事産まれれば、辛かった事も良い思い出に
私は、妊娠24週から出産まで丸3ヶ月間入院しました。
きっかけは、妊娠4ヶ月頃から頻繁に感じるようになったお腹の張りです。
家事や車の運転中に張るのはもちろん、横になっていても時々お腹が張るようになってしまいました。
しかし、病院でその事を聞いてみても「子宮の出口はしっかり閉じているし問題ありません。順調ですよ」と言われるばかり。念のため張り止めの薬を貰って飲んでいましたが症状はあまり良くならず、安定期と呼ばれる時期になっても辛くてほとんど横になって過ごしていました。
妊娠24週の時引っ越す事になり、病院も変える事になりました。そして転院先の病院で診て貰った所、この時はじめて子宮頸菅長が3.5cmしか無いと言われ、張り止めの薬を貰って自宅安静を言い渡されました。私は内心やっぱりなと思いました。前の病院では大丈夫と言われていたけど、正直疑念を抱いていたので、転院して本当に良かったなと思いました。もし自分の症状で悩んでる妊婦さんがいたら、一度別の病院で診て貰うのも選択肢の1つだと思います。
その後張り止めの薬を飲んで1日中横になって過ごしていましたが、それでも張りは治まらず、1日に15回ほど感じるようになっていました。「何で治まらないんだろう、おかしいな」と思いながらも、「こんな症状で病院に行ったら大げさかな?」と受診するのを悩んでいましたが、1週間ほど経ってからやっぱり心配なので診て貰おうと思い、再度病院へ行きました。すると、先週は3.5cmあった頸菅長が2.2cmまで短くなっていて、即入院となりました。この時妊娠24週6日でした。
私の場合は、子宮頸菅無力症と言って、本来なら出産まで閉じていなければならない子宮の出口が開いて来てしまう症状で、そのせいでお腹が張ってしまっていました。また、このままでは早産になってしまう可能性が極めて高いとの事でした。その為急遽子宮口を縛る手術を受ける事になりました。
手術の後は1週間ほどで退院予定で、その後は体調が安定すれば普段通りの生活も出来るとの事でした。
人生初の手術、正直不安でしたが、お腹の子を何としても無事産んであげたいし頑張るしかない!と覚悟を決めました。
そして25週1日の時に手術をしました。
手術は無事終わりましたが、手術中から陣痛並みの張りが続いていたそうで、麻酔から目が覚めた時には5分おきにお腹が張っていました。それに、張るたびにお腹が痛みます。もしかしたらこのまま産まれちゃうのかな…?と不安でした。張り止めの点滴ウテメリンをMAXの4A30入れていましたがそれでも治まらず、結局さらに強いマグセントの点滴も追加する事になりました。両腕に点滴が繋がれ、その日1日は歩行禁止の絶対安静となり、ベッドの上から一歩も降りられませんでした。そして残念ながら、1週間後の退院は無しになりました。
翌日からトイレと洗面は解除され、ようやく自分の足で歩く事が出来ました。しかし、点滴2本なのは変わりません。副作用が強くて、ひどい動悸と手の震え、体も熱を持ってしまい、真冬にもかかわらずアイスノンで冷やしていました。
1週間ほどでマグセントの点滴が外れ、ウテメリンだけになりました。相変わらず4A30なのは変わりませんが、張りが落ち着いてくれば徐々に減らしていき、退院出来るだろうとの事です。
入院生活も1ヶ月ほど経った頃、体調が落ち着いているので退院しましょうかと言う話になりました。1週間ほどかけて点滴の量を減らしていき、そしてついに点滴が外れました。これで何もなければ翌日退院です。しかし、点滴を外してから半日ほど経ったところでまた5分おきにお腹の張りが来てしまい、これで退院するのは危ないからと再び点滴再開する事になりました。どうやら私は、点滴のお陰で陣痛が治まっているだけみたいでした。今後とも点滴を外すと産まれてしまう可能性が高いので、正期産に入るまでは入院していた方が良いだろうと言う事になりました。
結局その後数ヶ月入院し、37週に入るので退院しようと言って点滴を減らしていた所、退院前日に陣痛が来てそのまま出産となりました。しかし結果的には無事37週0日で産まれて来てくれたので早産にはならず、長い入院でしたが頑張って良かったなと思いました。
入院中、切迫の度合いによっては点滴をしないで過ごす人や、ずっと寝たきりの人など様々です。周りの人はスタスタ歩いて羨ましいなと思う事もあるかもしれません。しかし、ここで無理をして赤ちゃんにもしもの事があったら、一生取り返しのつかない事になってしまいます。入院生活、辛い事もたくさんありますが、ほんの数ヶ月の我慢で赤ちゃんの一生が決まると思えば、短いものだと思います。もし今切迫早産で入院中の方がいたら、お腹の赤ちゃんを守れるのはお母さんだけなんだよ、とエールを送りたいと思います。
もし切迫早産と言われたら、赤ちゃんの為にも一生懸命体を休める努力をしてあげてください。切迫でも動こうと思えば動けてしまいます。しかし、そこでグッと我慢をして休む勇気も大切なんだなと思います。