妊娠高血圧症候群(PIH)の体験談

ただの風邪だと思ったら…

31歳、初産で妊娠高血圧症、なかでも尿淡白の症状も出る「妊娠高血圧腎症」と診断されました。

妊娠発覚時から特に問題なく、むしろ血圧は低め、体重増加も適正な範囲で、医師からは「優秀だね!」と言われていました。

しかし、29週に入ったある日、仕事の同僚に「その目どうしたの?ものもらい?」と、言われました。ものもらいなどありません。全身の浮腫みが顔にまで現れ、目も腫れたようになっていたんです。言われるまで、そんなに浮腫みが進行していると気付きませんでした。

私はフルタイムで仕事しており、毎日残業までしていました。身体がだるくても、お腹が少し張ってても、「妊娠してればこのくらい辛いのは当たり前。妊娠は病気じゃないんだから、迷惑かけないように頑張らなくちゃ」と、今考えると結構無理をしていたと思います。

帰宅後、足を見るとまるでお相撲さんのようにパンパンに浮腫んでいました。まるで自分の足ではないみたい。それでも「妊婦が浮腫むのはよくあることと聞くし、来週行く定期検診で医師に相談しよう。産休までもう少しだから頑張ろう」と受診を先送りにしてしまいました。

30週4日、お腹が変に張って歩くことすら辛い状態になりました。やむなく会社を休み自宅で寝て休んでいたところ、昼過ぎから頭痛を感じ始め「風邪かなあ?」と思いました。同時に視界もチカチカとし始めました。でも、その日は土曜日で診察時間が終わっていたので、週明けに病院に行くことにしました。

安静にしているのに翌日も症状が治まらず、月曜の朝に病院へ行きました。歩くのが辛く、徒歩15分ほどのバス停まで行くのも、途中で休憩を挟まないと歩けない状態でした。頭痛は、頭が割れるくらいの強さに悪化していました。

結果、尿淡白4+、最高血圧160。妊娠初期から徐々に血圧が上がっていれば、まだいいのですが、妊娠後期に突然血圧が上がった場合、危険なようです。助産院では対応できないとのことで、近くの総合病院に救急車で搬送されることに。すぐに救急車が到着しました。この頃には視界に歪みが生じており、家族にスマホで連絡を取るのも、狙ったところにうまくタッチできなくて苦労しました。

その後、総合病院の診察台の上で気持ちが悪くなり、嘔吐し、私は意識を失いました。

気が付くと、お腹の子供がいなくなっていました。意識喪失後、私は子癇発作という全身痙攣を起こした為、母体が危険な状態との判断から、緊急帝王切開での出産となったようです。

産まれた子供は1212g。私は1週間ほどで退院できましたが、子供は約2ヶ月間、NICU/GCUへの入院を余儀なくされました。

後日聞いたところ、頭痛は脳まで浮腫んだ為に発症したものとのことでした。視界の歪みも、脳が浮腫んだため。もっと早く処置できていれば、今は医療がとても進歩しているので、母親が入院をするなどして安静にすることで、赤ちゃんをなんとか胎内に留めておくことができたかもしれません。(実は診察台で私が意識喪失した後、最初は赤ちゃんをなんとかお腹の中に居させたままで治療できないか、手を尽くしていただいたようです)

手術後は、どんどん身体の浮腫みが取れていき、入院直前から退院時までに体重は11kg落ちました。いかに浮腫みが酷かったか思い知らされました。

原因ですが、なぜ発症したのかはわからない、と医師から言われました。そのため、予防するにはとにかく無理はしないことを徹底するしかないようです。

赤ちゃんは、まだ退院してあまり日にちが経っていませんが、いまのところ何事もなく元気です。

後輩ママへのアドバイス

とにかく安静にしてください。進行してしまうと最悪の場合、私のように早産となってしまいます。お腹の子供のために、無理はせず、心穏やかに、ゆったりとマタニティライフを楽しんでください。日頃から減塩食を心掛けることも大事だと思います。

参考になったらここをクリック(ログイン不要)
\ あなたも体験談を投稿しませんか? /
次の体験談へ
\ あなたも体験談を投稿しませんか? /