スピード出産
出産当日は、前日に内診グリグリをされ、いつもより前駆陣痛があるなぁと思っていた日でした。
夜ご飯を食べ、前駆陣痛もない 今のうち!とお風呂に入り髪を乾かしていた時、今までの前駆陣痛とは桁違いの痛みがやってきました。下半身全体が脈打つような痛みでした。時間にすると 数十秒でしょうか、痛みに耐えていると ウソのように痛みがひきました。
なんとなく本陣痛が来たような気がしましたが、また定期的に痛みがきたら考えようと、髪を乾かし終えテレビを見ていました。すると、15分後にまた同じ痛みがきて、さっていきました。 まさかね、急に15分間隔なわけないよね、と思いましたが もともと37週の検診時から子宮口が5センチ開いていたこと・先生からは「陣痛がきたら、あなたみたいな人はあっという間に出産かもね!」と言われたことを思い出し、用意していた入院グッズを玄関に運びました。
案の定15分間隔で陣痛が来ていて、病院に行き 看護婦さんが内診すると「9センチ開いてる!このまま分娩台に行きましょう!」とそのまま出産準備に入りました。分娩台に乗って10分くらいした時 看護婦さんが内診すると、破水をしました。少し羊水が濁っていたようで、看護婦さんが急いで先生に連絡をとっていましたが 私は 陣痛の痛みが次々押し寄せて来ていて、心配というより、無事に赤ちゃんを産むこと それだけしか考えられませんでした。
先生が到着し 診察すると、「うん!そこにもう頭があるよ。いきみたいならいきんでいいから」
と陣痛に合わせて いきみ始めました。初産で上手にいきめず、妊娠してから赤ちゃん分の4キロしか体重が増えていないことから体力がないと判断され、最終的には吸引分娩での出産になりました。
「産まれたよ!元気な男の子!」と大きな産声をあげた我が子を 胸に抱かせてくれました。
無事に産まれて来てくれた我が子を見て、その重さを感じて 嬉しくて涙が出ました。人生で一番幸せだと思いました。私は里帰り出産だったので、出産には実母が立ち上がってくれました。主人とは陣痛が始まる2時間ほど前に連絡をしていましたが、あまりのスピード出産で出産後の報告になってしまいました。産まれてすぐ、写真を撮らせてくれたので 主人に送りました。出産後の処置は痛くて辛かったですが、処置が終わって2時間ほどして異常がなかったので病室に移動し、翌日から母子同室で過ごすことができました。
出産は本当に大変でしたが、それを上回る幸せが良い思い出となって今でも思い返すだけで、心が暖かくなります。
出産は 本当に大仕事です。私は自分で産んで、今まで以上に母を尊敬するようになりました。
痛みは別格ですが、産んだあとの喜びで 頑張って良かったと必ず思えると思います。不安も大きいと思いますが、大丈夫です。私でも乗り越えられたので!
女性は強い。この言葉の意味が本当に理解できる体験だと思います。