最後の最後まで頑張って良かった
38w5dでの出産でした。出産前日の健診では「まだお腹も下がってきてないし子宮口も開いてない」と言われ、まだまだお産までには日にちがありそうな様子でしたが、その日の晩に1時間程ウォーキングをしたら翌朝にはいつもより少しお腹が張っている感じがありました。そしてお昼頃にトイレへ行くと、自分の意思とは関係なく尿が漏れたような気がして、トイレットペーパーで拭くと薄っすらピンク色でした。「おしるしかな?」と思いながらも普通に過ごしていると、その後も何度か急に尿漏れのような感覚があり、そこで初めて「もしかしてこれは破水??」と思いました。でもまだ陣痛も来ておらず、破水で病院に行くとそのまま入院になってお風呂に入れなくなると思い、とりあえず先にシャワーを済ませてから病院に連絡を入れました。するとやはり「破水の可能性があるので入院の準備をして来て下さい」との事だったので、旦那さんに仕事から帰ってきてもらい病院へ向かいました。診察の結果、高位破水とのことで、そのまま21:00頃に入院となりました。この日はお産を迎えている妊婦さんが多く、個室の陣痛待機室が空いていなかったので、3人部屋での入院となりましたが、部屋には私1人でした。破水しているため、細菌感染しないようにお薬を飲みながら陣痛を待つことになり、旦那さんにはこの時点で一度自宅へ帰ってもらいました。そして日付けが変わった頃から生理痛のような痛みの微弱陣痛がきはじめ、2:00頃からは7〜5分間隔の本格的な陣痛に変わり、時折看護師さんに腰やお尻のあたりを押してもらいながらいきみ逃しをしていました。この時で子宮口は2cmです。朝の6:00頃には5〜3分間隔まで陣痛が進み、子宮口も5cmまで開きました。もうこの頃には誰かにお尻を押してもらわないと陣痛の波には耐えられない程の痛みになり、旦那さんに連絡をして来てもらいました。それと同時にLDR(陣痛分娩回復室)へ移動しました。思いのほか陣痛が順調に進み、看護師さんにも「このペースだとお昼頃には赤ちゃんと会えるかも」と言われ、スピード安産だ!と少しホッとしました。ところが、それ以降が苦難の道のりだったのです。もちろん既に陣痛は激しい痛みとなっていたので朝食も口に出来ず、旦那さんから差し出される水分を補給するのがやっとだったのですが、10:00を過ぎても赤ちゃんが下に降りてくる気配がなく、どうやら赤ちゃんの向きが悪かったようで頭がきちんと旋回できずにずっと同じ位置に止まってしまいました。どうする事もできない激痛にもがき苦しみながら耐え続け、気付けば赤ちゃんと会えると思っていたお昼を過ぎており、看護師さんには少しでもお昼ご飯食べるようにと言われましたが全くそれどころではなく、昨晩は一睡もしていないので疲れが出てきて体はグッタリでした。更に陣痛の痛みに加え、定期的にされる内診が物凄く痛くて、それなのになかなか子宮口は全開になってくれず、本当に何度も心が折れそうになりました。ひたすら耐え続ける時間が過ぎ、12:00を回ってようやく子宮口8cmというところまで来ましたが、相変わらず赤ちゃんは頭が引っかかってなかなか降りてきてくれません。もうこの頃の私は完全に体力が無くなってしまい、眠たさと疲労で意識も朦朧としていました。すると次第に陣痛も遠のき始めてしまいました。それでも時折来る陣痛の波は大きく、看護師さんには「そのタイミングでいきんでー」と言われましたが、もう踏ん張る力も入らず自分でもどうしていいか分からなくなってました。看護師さんも想像以上に赤ちゃんの頭が降りてこなかったからか、ついに先生が入ってきて、またあの激痛の内診をされました。しばらく様子を見た後に、薄れゆく私の意識の中で、先生たちが促進剤投与の相談をしているのが聞こえてきました。私は友人から「促進剤は一気に陣痛が強くなるから本当に地獄!」と聞いていたので、意識が朦朧としながらも心の中で「今でもこんなに辛いのに、更に私に痛みを与えるの??」と思ったのを覚えています。そして13:00過ぎ、促進剤を投与しました。案の定、そこからは地獄の痛みが怒涛のように押し寄せてきました。一気に看護師さんたちの動きが慌ただしくなり、直ちにベッドが分娩台へと変わり出産準備に入りました。気付けば酸素マスクも付けられていました。更に、先生から「裂けそうだから切開するね」と言われて会陰切開をしました。切開は麻酔もしているので陣痛の痛みに比べれば全然痛くありませんでしたが、しかし分娩台の準備をして会陰切開をするということはもう赤ちゃんの頭はすぐそこまで出かかっているものだとばかり思い込んでいました。甘かったです。そこからもなかなか頭が出てこず、切開した上に先生が内診で手を入れて広げるので切ったところが裂けていく痛みがはっきりと分かりました。それに加えて私は分娩中に何度も足をつり、もう陣痛の痛さと裂ける痛さと足のつる痛さとが同時に来て訳が分からなくなり、最後はもうどうでもよくなって力の限りひたすらいきみ続けました。心の中で我が子を呼びながら何回いきんだか分かりません。そして促進剤を投与してから3時間後、ようやくその時が来ました。頭が出てきて、看護師さんに「下見ててねー」と言われて見てみると、しっかりと我が子の頭が見えました。そこからは体がツルンと出てくる感覚がはっきりと分かりました。出てきた瞬間に大きな声で泣いてくれて、私の胸の上に来てくれた時は本当に本当に感動でした。
最後の最後までどのような出産になるかは分かりませんが、出産には必ずゴールがあります。いつかは絶対に赤ちゃんに会えるので、それを胸に頑張って下さい。