余裕の痛みから一気に最高潮に
出産当日の朝4時半。重い日の生理痛のような痛みで目が覚めました。計測するとすでに10分間隔でした。病院からは「2人目以降は進みが早いので15分間隔で連絡ください」と言われていたので焦りました。
その日は上の子の遠足だったので計測しながら急いで弁当を作り、実母に上の子をお願いして、朝6時半に夫と一緒に病院へ出発。この時点で陣痛は7分間隔でしたが、病院に向かう約20分間でどんどん間隔は狭まり、朝7時に病院に着いた時には3~4分間隔になっていました。痛みは強めの生理痛といった程度でまだまだ我慢でき、陣痛の波がきている時でも夫と普通に会話ができました。
内診をすると子宮口は5cm開大でした。NSTをしながら全開を待つ間、夫からクイズを出してもらったり世間話をして痛みを紛らわせました。NSTを始めてから30分程すると一段階痛みが強くなり、金槌で軽く殴られるような痛みに変わりました。この時点で陣痛は3分間隔です。何か食べるなら今のうちだと思い、陣痛の合間にサンドイッチを食べました。すると食べ終わると同時に破水。今食べておいて良かったー!と思わず笑っちゃいました。
看護師さんに「破水したから一気に進むよ!」と言われ朝8時半に分娩台へ。陣痛は3分間隔、内診では7cm開大でした。痛みは強いもののまだ気持ちには余裕があり悠長に構えていると、突然一気に痛みが強くなりました。いきなり!?とパニックです。体の中から金槌でガンガン殴られているような、骨がメリメリっと割れるような痛みです。これは全開だろうと思って助産師さんに内診してもらうも、まだ8cmだよと言われ、こんなに痛いのに!?と思わず聞き返しました。
それから15分ほどしてようやく全開に。この時には陣痛の波が来ると痛みが体がよじれ、どこがどう痛いのかも分からなかったです。腰全体を大きな金槌で打たれているようでした。痛みに囚われ全身に力が入り体力を奪われていたので、呼吸することに意識を向けるようにしました。大きな陣痛の波がきた時に思い切りいきむと、赤ちゃんの頭が股にはまったのが分かりました。それがものすごく痛くて、つい「痛ーい!」と大声を出してしまいました。一度赤ちゃんを戻し、(次で絶対産んでやる)と心を決めて呼吸を整えました。"目を開いて赤ちゃんが産まれる方を見ながらヘソの下にグーっと力を入れる"のイメージを頭に作り、さっきよりもより強くいきむと、頭がズルンと出たのが分かりました。助産師さんに「頭でたよ!もういきまないで!」と言われましたが、いきまずにはいられません。切開のために看護師さんが先生を呼んでいましたが、我慢できなくてついいきんでしまいました。そこで我慢できていれば会陰裂傷にならずに済んだんだと思います。とにかく痛かったので、赤ちゃんが産まれた瞬間は「もう痛くないんだ」という安堵で涙が出ました。
夫はずっと傍にいてくれましたが、いきみ逃しやマッサージは必要としなかったので、計測係と撮影係に徹してもらいました。陣痛に気付いてから産まれるまで約5時間とスピード出産だったので、後半の痛みの進行が速く体がついていかない印象でしたが、その日の夕方にて家族で赤ちゃんを囲んだ時にはもう分娩の痛みは忘れていました。赤ちゃんの力は偉大ですね。
痛みが強くなってから呼吸法が大事になってくるので何度もシュミレーションしておくといいと思います。ご主人が立ち会いされる場合は、何をしてほしいかあらかじめ明確に伝えておくのも大事です。それと分娩にはものすごく体力を使います。食べられるうちにしっかり食べて備えてくださいね。