出産甘くみてました
よくテレビの出産シーンで妊婦が絶叫する様子が流れたりしていますが、「そんな大げさな…」とか、「私は痛みに強いから絶対大丈夫」、「叫ぶなんて、恥ずかしい…」などとどこかで思っている自分がいました。
出産が近づくと、スポーン!と生まれるイメトレをしたりして、私が安産じゃないわけがない、と根拠のない自信を持っていたのです。
出産予定日の一週間前に、まさかの破水から始まりました。
高位破水だったようでしばらく気が付かず、最初にドロっと出たのを感じてから丸一日以上経った夜9時頃、ようやく破水であると確信し、病院に電話しました。
入院グッズを持ってすぐにタクシーで病院へ。
この時点では、お腹の痛みはほぼありませんでした。
内診で子宮口を確認し、「まだ指一本分だね…時間がかかるかも。」と言われて、一緒に来た主人だけ帰宅。
私は陣痛室に泊まるとこになりました。
お腹のハリの間隔を調べてもらいましたが、こちらもまだまだな様子。
助産師さんから陣痛促進剤の説明を受けました。
入院が長引いたら嫌だなぁ…お金かかるしなぁ…なんてことを考えながら寝ようとしますが、不安と緊張てなかなか寝付けませんでした。
そして夜中の3時頃、助産師さんが来て、また内診。
この内診グリグリ、なかなか痛いんですよね…。
さっきとあんまり変わってないと言われて、ガッカリ。
…と思っていたら、内診が刺激になったのか、急に生理痛のような痛みをずんずんと感じ始めました。
これが陣痛ならいいのにな…なんて思いながら、痛みを感じながらもボーッとしていたら、だんだん我慢できないほどの痛みに。
子宮がぎゅーーーーーっとなって、うずくまって歯を食いしばって、うぅー…と声が出てしまうほど。
どんどん痛みが増していき、その痛みは定期的に訪れるようになり、その度にゔぁぁぁーー!と叫びに近い声になっていきました。
主人にラインをするも、その時まだ朝の6時前、当然既読になるはずもなく。
これより痛くなるの?!いつまでつづくの?!こんなに痛いの?!と言った感じでした。
やがて痛みがだんだん子宮よりも下の方に感じるようになってきました。
陣痛の波が来るたびに、いきみたくなるような。
ネットでいきみ逃しの方法について読んだのを思い出し、陣痛の波が来たときにお尻の穴を手でグッと押してみたら、少しだけ楽でした。
テニスボールも持ってきていたのですが、カバンから取る余裕がなんて全然ありませんでした。
午前10時頃、旦那がやっと病院に到着。
この頃には、旦那のことなんて見る余裕もなく、身体をよじって悶え苦しんでいるところでした。
そしてさらに2時間後、やっと、そろそろ分娩台に行きましょうかとの声がけが。
分娩台に上がったら早いとネットで見たし、
友達からもそう聞いていたので、やった!あと少しで終わる!!と嬉しくなりました。
あまりの痛みに泣き叫ぶに近い状態で、いきみ逃しなんて余裕もなく、どんな体勢でいても痛くて痛くてたまらないといった状況でしたが、陣痛の合間に走って分娩台へ。
経過もいいし、きっと10分くらいで生まれると思うよ〜、と助産師さんに言われ、とてもホッとしました。
が、本当の地獄はここから始まったのです…。
分娩台に上がるとすぐにまた陣痛がきて、いきまなくても身体が自然といきもうといてしまいます。
お腹に変な力が入って、おしっこが勝手にザバザバーっ!と出ていきました。
トイレに行かされ、なんとか残りを出して、トイレから出たらまたそこで波が。
うずくまって、ゔぁーーーー!と叫び、そこから動けず。
分娩台に再度乗せられて、いきんでみてーと言われました。
思いっきり力を入れると、さらに激痛が…。
あれ?!いきんだら楽になるんじゃないの?!…と思いながら、波に合わせて何度も何度も渾身の力を込めていきみますが、痛みが増すばかりで赤ちゃんが出てくる気配は全くありません。
それから1時間経っても赤ちゃんが出てこようとせず、全身のありったけの力を込めて何度もいきむ為、もう体力も限界。
力が入らず、だんだんいきめなくなっていきました。
一睡もしていないのもあって、睡魔に何度も襲われました。
そんな中、横にいた主人はと言うと、意味の分からないことをたくさん叫び、主人のことをものすごい形相で睨みつけ、叫びすぎて助産師さんからは怒られ、そんな私の姿を見て面白くて笑っていたそうです。
なんとも冷静ですね…いいのか悪いのか。
テニスボールでお尻を押すように助産師さんから指導されていましたが、主人がお尻を押すと逆に痛くて、やめて!やめて!と言っていたような気がします。
どれだけ時間が経ったのか…もういきもうにもいきめないほど、身体は限界を超えていました。
痛すぎて意識は朦朧とし、ハイ、いきんで!と言われても力がうまく入りませんでした。
でも、波が来ると身体は自然といきもうとします。
頑張っていきむと、またものすごい激痛が…!!!
叫ぶ声も震えてきました。
すると助産師さんが、「今先生が来ますからねー。切りますよー。切ったらすぐに産まれるからねー!」と。
会陰切開のことだな、と思いました。
と言うか、切ったらすぐ産まれるのならもっと早く切ってよ!とイラッとしてしましました(笑)
そして先生が入ってきて、麻酔をして会陰切開。
ちなみに、切ったときの感覚や痛みは全くなく、いつどのくらい切ったのか分かりませんでした。
そして、「はい最後ねー!いきんでー!」と言われて、思いっ切りいきんだのと同時に、中に手を入れられたような感覚がありました。
限界の痛みを超えて体がちぎれるような感じで、ぎゃぁーーー!!とその日一番の叫び声を上げたと同時に、お腹がしょぼん!と一気にしぼんだのが分かりました。
そして、助産師さんの「生まれましたよ〜」の声が聞こえました。
感動して涙が!ということはなく、ただただぐったりとしていました。
その後胎盤を出すのも地味に痛くて、痛い!先生痛い!と何度も言ってしまいました。
しかも思ったより時間がかかって、内ももに生ぬるいものがダラダラと垂れ、とても嫌な感じでした。
しばらく息をすること以外何もできないといった状態でしたが、数分後に赤ちゃんを横に持ってきてもらった時には、あぁ、本当に産んだんだ!私の赤ちゃん!と、ようやく感動。
その間産科医の先生が切開したところの縫合処置をしてくれましたが、縫合の痛みはほとんど感じませんでした。
分娩台に上がってから10分と言われていたのに、結局痛みマックスの状態で2時間もかかってしまいました。
こんな死闘ではありましたが、陣痛〜分娩の経過はとても良くて安産だったねと助産師さんに言われました。
まさかこれが安産だなんてふざけてる…とは思いましたが…(笑)
出産から2時間後には立って歩けたし、傷や子宮の回復もとても早く、すぐに妊娠前の身体に戻ったので、全体的には安産だったのかなと思います。
いつ破水して出産になるか分からないので、入院の準備は早めにしておいたほうがいいと思います。
陣痛中でもパクっと食べられる軽食や水分、キャップ付きのストローも忘れずに。
私はお茶を持って行ったのですが、ものすごい汗をかくのでスポーツドリンクの方がよかったかな?と思いました。
それから、乾燥が気になる人はリップクリームもカバンに入れておくといいです!
どんなに痛くても出産には終わりがありますし、痛くてつらいのはママだけじゃなくて赤ちゃんも一緒に頑張っています。
産まれたての我が子の頭がすごくいびつに伸びているのを見て、この子も一緒に頑張っていたんだなと思いました。
痛かったね…ごめんね、頑張ったね、という気持ちになりました。