陣痛から出産までが早すぎて、気持ちが追いつきませんでした。
妊娠期間を通じて心身共に無理をしたため、妊娠20週となる前には、疲労がたまったり強いストレスを受けたりすると、出血が起こるようになりました。妊娠32週には切迫早産の診断がおり、気を付けながら生活していたので、産休に入った時には赤ちゃんのためにゆっくり過ごせると思いホッとしました。妊娠37週、ようやく生産期に入りとにかく目標クリアしたと思ったら、すぐにおしるしと思われる少量の出血がありましたが、1週間たっても陣痛に至らなかったため、38週1日の晩、赤ちゃんに「もう生まれても大丈夫だよ」と話しかけました。1人目の出産が満月でしたが、38週1日の夜はスーパームーンだった為、もしかすると今晩から翌日には赤ちゃんに会えるかも、と予感していました。夜中に前駆陣痛が1回ありドキドキしましたが、朝6時半頃にまた痛みが始まりました。今度は陣痛かもしれない思い、小学生の上の子を8時に送り出すまで待ってほしいと赤ちゃんに声をかけつつ、両親に連絡し、病院に行く準備等をしました。出産の進行が早い家系で、陣痛を自覚して4時間程度で生まれてしまうので、上の子を送り出してすぐに病院のお迎えをお願いしました(救急車でお迎えに来てくれる病院でした)。9時10分に到着し診察を受けたところ、子宮口が開いているとの事。もう歩くのもだめだと車いすに乗せられ、陣痛室ではなく分娩室に直行しました。9時半頃分娩室に入り、着替え等準備をして分娩台に上がりました。点滴の針がなかなか刺さらず、刺しても血管に入っていないようで腕が水分で膨れたりして刺し直し、それが辛かったです。その頃はまだ笑う余裕さえありました。その後、妊娠中に薬の副作用が出たことがあったので、カルテの確認等をしていると突然、赤ちゃんが出そうな感覚と強い痛みが来て、とても話すどころではなくなりました。「出産」の時が来たのを頭では理解しても、急すぎて気持ちが付いていかず、医師がかけつけた時に破水したのを感じました。今いきんでと声をかけられても呼吸が合わず、それを数回繰り返しているうちに朦朧としてしまったようでした。酸素マスクをつけられた感触で意識が少しはっきりしてきて、波のようにやってくるいきみたくなる感覚に合わせて強く力をこめると…何か温かいようなものがスルッと出てきたので、赤ちゃんが生まれたかな?と思いました。「?」がついたのは、産声が聞こえなかったからです。何が起きているのか心配した時、遠くで誰かが何かしている気配がし、赤ちゃんの弱々しい泣き声が聞こえました。とても小さくか細い声でした。医師がこちらに来て、出てくると思ったタイミングで出てこなかったから…とか、上手なお産とは言えないけどどうの…とか言っていました。別のだるさが込みあがりました。色々な方が、疲労感で動けない私の着替えや点滴等お世話をしてくれて、その後女性のスタッフが来て、赤ちゃんを私の身体に乗せてくれました。既にきれいにしてもらっていて、温かい身体はふにゃふにゃで、少し目を開けてまた閉じました。へその緒が中指ほどの細さだったと聞かされました。妊娠中、きついストレスにさらしてしまったからか…。それに出産のときも赤ちゃんとも呼吸を合わせてあげられずに苦しませてしまったから産声が上がらなかったのか…。思わず赤ちゃんに「初めまして。苦しい思いさせてごめんね」と声をかけました。出生時刻は、10時2分だったので、分娩台で痛みが来てから出産まで20分ちょっとだったのですが、もっと長く感じました。女性スタッフが、指が5本あることを知らせてくれかましたが、その時初めて、指を見ました。良かった、と思いましたが、とても心配した後だったので、何より生まれてきて無事であったことが嬉しく、指の確認もしていなかったことに気が付きました。腹部を強く押され中のものを出して、裂傷部分を縫い、腰にさらしを強く巻き付けてもらい、2時間ほど分娩台で休みました。別室に移動し昼食を頂いたときは腰回りに痛みは多少でしたが、夜、自室で休んだ時は痛みで眠れず一晩中辛かったです。出産は、早い方が楽そうに思われますが、出産の予兆から迅速に対応しないと病院に到着する前に出産ということになりかねないし、出産時、会陰が伸びる前に赤ちゃんが出てきてしまうので、切開のタイミングが難しいようで、裂傷を起こしやすいように思います。2回の出産で、2回とも蜘蛛の巣状に割けています。私の場合、回復に時間がかかり違和感なく普通に座れるようになるまで2か月以上かかったので、生活の質が低すぎて大変でした。
私の場合、出産の傾向が母とそっくりだったので、予め母親の出産エピソードを聞いておくと参考になると思います。進行が早い場合、陣痛が来てから迷う時間がないので、パターンを分けて対応を確実に決めておくとよいです。今回、上の子供が小学校低学年なので一人で家から出すのが心配で、見送ってから病院に向かう為、早い時点で両親のお迎えを頼んでいたのですが、何故か来ませんでした。陣痛に耐え兼ね督促の電話をしたら、誰も向かっていないことが分かり、慌てて病院にお迎えをお願いしました。普通あまりそういうことはない気がしますが、突然の状況に対応できるようにしておけると良いと思います。また、出産前に自分の意識を出産に合わせ、落ち着いて過ごす時間も必要だとつくづく思いました。痛みに恐怖しすぎずにリラックスして臨むと、それだけでお産が楽になります。