あっという間の1日。
陣痛促進剤を投与してもらい、立ち会いで一緒だった主人が食べ物を買いに行ってる間、ものの30分足らずで陣痛が来ました。今まで予定日を超えて陣痛の波が全くなかったのが嘘のような激しい痛みでした。コンビニから帰ってきた主人は何が起こったか把握出来ず、「もう(陣痛来たの)!?」と驚いていました。その時初めて知ったのは、促進剤は、一気に打つと妊婦さんの体調に変化が出やすいので、少しずつ投与するということ。私の体調を見ながら助産師さんが徐々に薬の量を増やしてくれるのですが、我慢弱い私は第一弾の投与でもうのたうち回っていました。多分、今まで何の騒ぎも起きてなかった私の体が急にびっくりしたからだと思います。
陣痛の痛みは、生理痛の強い感じと友人から聞いていましたが、元々生理痛のひどい私でも耐え難い痛みでした。陣痛室に通される時は、そんなレベルのことが待っているなんて思ってないので、助産師さんと軽く談笑していたのですが、誘発剤が効いてきた私はまさに人格崩壊でした。
私「まだ!?まだ産めないんですか!?まだ開いてないの!?」
助産師さん「今子宮口7センチくらいかなあ。あのね、今だいぶしんどいと思うけど、もう1段階お薬頑張って増やしたら、お産スムーズにいくと思うよ。今のまま10センチ開くまで待つか、お薬増やしてスムーズにするか、どっちがいいかな?」
私「わからんわ!!」
あんな優しい助産師さんに、タメグチを吐いてしまうなんてと今でも反省しています。でも、そうなってしまうんです。結局薬は増やしてもらい、まだいきんだらダメよと注意はされても痛すぎていきまざるを得ずという状態になり、ようやく分娩室に行くOKサインをもらいました。
破水は自然には出来ず、助産師さんに鉗子を入れてもらって破水してもらいました。今子宮口9センチというところでお産がスタートしました。分娩台での私は主人の腕を汗だくの手で握り、分娩台のバーをこれでもかというくらい押し、無我夢中でした。私の病院では分娩室は基本助産師さん1人お産中でもついているだけで、先生はもう赤ちゃんが出てくるというところで登場する感じです。皆さん見慣れているのか、他の用事の看護師さんや先生が私の下半身を通過するような妙な光景でした。
予定日超過のせいか、娘は3500グラムで生まれてきたのですが、出てきた瞬間は紫色でとても人間とは思えない姿でした。血を見るのが苦手な主人で、立ち会いでは心配だったのですが、頭が出る瞬間は見れたそうで、神秘的だったと言っていました。生まれた瞬間、主人をはじめ、看護師さん助産師さん先生が祝福してくれましたが、当の私はもう電池切れで、直後の写真撮影では顔面蒼白でした。
陣痛が始まって、主人が親に連絡してくれたのですが、親に苦しんでいるところを見られたくなかったので、もう出てくる!というところで連絡してもらいました。分娩室にまず来てくれたのは母でした。私の母は持病のせいで、帝王切開で私を生んでいるので、お産を終えた私は自分の子を産んだ感動より母に対する感謝の方が大きくて涙が出ました。父は仕事を終え、遅れて来てくれました。私の両親にとっては初孫なので、喜びは本当に大きいものだと思います。そして何より主人は、いつお産になるかわからないところ、平日にも関わらずまだ仕事に余裕がある日に休みをとってくれて、しかも偶然娘が生まれてきてくれました。入院中、ほぼ毎日お見舞いに来てくれた主人と、タイミングよく出てきてくれた娘に感謝です。
お産を終えた瞬間、世界が変わります。それはやっぱり母になるということでしょうか。私が出産して学んだのは、とにかく頼るということ。子供は1人では育てられません。特に出産直後、体のダメージが大きいです。私は入院中、夜中に全然寝てくれない娘にずっと付き合っていて、休むことが出来ず貧血になりました。助産師さんに産後最初の説明で、しんどくなったら赤ちゃんを預かるからいつでも呼んでください、そして休んでください。あなたが倒れると赤ちゃんが困りますと言われたのに、夜中だからと気を使ってナースコールを押せませんでした。
だからどうか、周りの人に一声かけてください。